ニュース
大容量メモリを搭載したeSIMとセキュアエレメントを開発:IoTセキュリティ
大日本印刷は、Winbond Electronicsの大容量セキュアフラッシュメモリを搭載したセキュアマイコンを用いて、4MBの大容量メモリを搭載したeSIMおよびセキュアエレメントを開発する。
大日本印刷は2018年11月28日、Winbond Electronicsと協業し、Winbond Electronicsの大容量セキュアフラッシュメモリを搭載したセキュアマイコンを用いて、4MBの大容量メモリを搭載したeSIMおよびセキュアエレメントを開発すると発表した。
従来のeSIMは、格納できるプロファイル(通信接続用の情報)の搭載数が限定されていた。上限を超える数のプロファイルを利用する場合は、メモリ内のプロファイルを消去してサーバからダウンロードする必要があった。
今回開発するeSIMは、利用が想定されるプロファイルを複数格納できるため、消去やダウンロードが不要。プロファイルを切り替えて使用できる。
大日本印刷は、IoT(モノのインターネット)機器にセキュアエレメントを組み込み、IoT機器の認証や機器間の通信の暗号化などを実施してセキュリティレベルを高めるサービス「IoST(Internet of Secure Things)プラットフォーム」を提供している。
従来のIoT機器は、2つのICチップ(メインマイコンとセキュアエレメント)が必要だったが、同製品はメインマイコンとセキュアエレメントを一体化できるため、IoT機器の低価格化が図れる。また、ICカード技術を応用した耐タンパー性の高いICチップにソフトウェアを格納することで、不当コピーのリスクを低減できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ARMの最新アーキテクチャ「ARMv8-M」が目指す「セキュアMCU」とは
ARMの最新のMCU向けアーキテクチャ「ARMv8-M」は、同社が提唱する「セキュアMCU」に向けたものとなっている。本稿では、このセキュアMCUの定義と、その実装について解説する。 - 「Azure Sphere」の半端ない専用チップコストは下げられるのか
2018年4月にMicrosoftが発表した「Azure Sphere」。「Windows 10」よりも高いセキュリティ機能を担保できるソリューションであることをうたっているが、現時点では高価な専用チップが普及に向けてのボトルネックになりそうだ。 - 1ドル未満のIoTセキュリティ、鍵の複製が不可能なセキュア認証用ICで
Maxim Integrated Products(マキシム)は、1ドル(約110円)未満のコストでIoT機器のセキュリティを実現するセキュア認証用ICの新製品「DS28E38」を発表した。 - IoT端末にセキュアICチップを組み込んで保護するセキュリティサービスを開発
マクニカと凸版印刷は、IoTのセキュリティサービスで協業を開始した。IoT端末にセキュアICチップを組み込み、データの盗聴や改ざんなどを防止するセキュリティソリューションを開発する。 - 「業界最小」の消費電力でセキュリティも、サイプレスがIoT向け「PSoC」を投入
サイプレスセミコンダクタは、ウェアラブル端末や家電など幅広いIoTデバイスに向けたMCUアーキテクチャ「PSoC 6」を発表した。デュアルコア搭載で、動作周波数を切り替えることで消費電力を柔軟に低減する。静電容量タッチボタンや、ハードウェアベースのセキュリティの搭載にも対応している。 - 暗号鍵をハードウェアで守る、ルネサス「RX」の組み込みソリューション
ルネサス エレクトロニクスが汎用マイコン「RX231」にセキュリティ機能をハードウェア実装した評価キットを出荷開始した。セキュアな組み込み機器を短期間で開発できる。