検索
特集

受託金属積層造形の先駆けはオーダーメイド医療を目指す金属3Dプリンタ(1/3 ページ)

最終製品への3Dプリンタの活用が進む中、受託造形を行う企業も増えている。金属3Dプリンタなどによる受託造形を専門とするJ・3Dは、2013年に鋼材の通信販売事業から現在の積層造形事業へと舵を切った。現在は自動車業界など幅広い分野の金属造形を行う一方で、新たに医療分野の開拓を進める。J・3D 代表取締役の高関二三男氏に、自社の積層造形に関する取り組みや、3Dプリンタ装置の進化の現状などについて聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 最終製品への3Dプリンタの活用が進む中、受託造形を行う企業も増えている。金属3Dプリンタなどによる受託造形を専門とするJ・3Dは、2013年に鋼材の通信販売事業から現在の積層造形事業へと舵を切った。現在は自動車業界など幅広い分野の金属造形を行う一方で、新たに医療分野の開拓を進める。J・3D 代表取締役の高関二三男氏に、自社の積層造形に関する取り組みや、3Dプリンタ装置の進化の現状などについて聞いた。

高関二三男氏
J・3D 代表取締役の高関二三男氏

金属積層造形物に脅威を感じた

―― はじめは鋼材の通信販売会社としてスタートしたと伺っています。積層造形に切り替えた理由をお聞かせください。

 2013年4月に偶然、3Dプリンタで金属を造形するという記事を読んだことがきっかけだ。長年鋼材の切削に携わってきた者として、はじめは金属を3Dプリンタで加工するなんてありえないと感じた。

 その一月後に行った展示会で、たまたま実物を見た。展示されていたサンプルがかなり複雑な形状で、これは脅威になるかもしれないと感じたのがはじまりだ。その後、独EOSの金属3Dプリンタと樹脂3Dプリンタを導入し、2013年9月に社名を変更、事業内容を転換した。

―― 現在は金属3Dプリンタ4台などをそろえて積層造形の実績を積まれています。はじめから需要は多かったのでしょうか。

 当時はマーケットすらなかったので、手探りの状態でスタートした。はじめから積層造形でいけると思って切り替えたわけではない。以前の事業と両方を同時にやるのは無理だろうと思い、積層造形に絞った形だ。

 運よくWebページを作ってすぐに、JAXA(宇宙航空研究開発機構)からの問い合わせがあった。JAXAとやりとりする中で、今後どういったところに技術を展開していけばよいかアイデアを得られたのは大きかった。

―― どんなヒントを得たのでしょう。

 JAXAからの問い合わせはあったものの、彼らの作りたいものは一体型の非常に大きな部品だったため、当社の設備では対応できなかった。とはいえ実際に造形を見たいということだったので当社に見学に来てもらった。彼らの要望は基本的に一品一様で、それを迅速に作ること。そのため3Dプリンタが有効だった。そういうモノを作りたいところに仕事を取りに行けばよいのかと今後の動きの参考になった。

―― きっかけはWebページだったのですね。

 現在も依頼の大半はWebページを通じて入ってくる。他は展示会やセミナーなどだ。(積層造形の基礎知識や利用の実態、技術動向などを発信している)ブログは正直に書いている。間違った知識が広まっていることも多く、実際に依頼が来たときに誤解を解くのが大変だからだ。

―― 依頼にはどういったものがありますか。

 自動車関連が7割程度で、他に金型加工や航空宇宙などがある。全国から依頼が来るので、(本社の所在地である)愛知という土地柄だからというわけではないと思う。

 3Dデータすら触ったことがないというような依頼者はほぼいない。元から3Dデータを扱っており、意欲と資金のあるメーカーが来るという状態だ。基本的に今より速く、安く作りたいという発想で問い合わせをしてくる人が多い。3Dプリンタで作った方がよいというような最終製品の部品の依頼はまだない。その理由は、日本の製造業は大量生産を前提としているため、たとえ3Dプリンタでしか作れないものを作ったとしても、大量生産ができないからだ。

 順調に伸びている製品の1つが自動車向けの金型になる。金属内部に立体的に冷却配管を通し、効率のよい冷却ができるようにしたものになる。はじめは見向きもされなかったが、成功事例が発表されたこともあり、順調にニーズが高まっている。

配管
金型の3次元水冷配管の例。見えているのは、らせん状に通している水冷管の断面。配管の径は直径1?。
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る