マルハニチロが国内7工場のスマート化へ、キヤノンITSがシステム構築を支援:製造ITニュース(1/2 ページ)
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、マルハニチロが国内の直営7工場に導入した、食品製造に用いる新たなデータ統合管理基盤「新生産管理システム」を共同で構築したと発表した。
キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)は2018年9月25日、マルハニチロが国内の直営7工場に導入した、食品製造に用いる新たなデータ統合管理基盤「新生産管理システム」を共同で構築したと発表した。キヤノンITSは、マルハニチロの新生産管理システムの中核を成す製造業向けERPソリューション「AvantStage」について、AvantStageの生産管理システムである「mcframe」を展開する東洋ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)と共同し、食品製造業の工場改革を支援するシステム構築を推進する。2021年までに、AvantStage関連の売上高を50億円まで伸ばしたい考えだ。
キヤノンITSは2015年から、各分野で高いシェアを持つパッケージソフトウェアを組み合わせることで、製造業のさまざまな分野の業務に最適な形で適用するERPのソリューションコンセプトとしてAvantStageの展開をスタートした。AvantStageの中核を成すソフトウェアパッケージは、B-EN-Gのmcframe、需要予測/需給計画に用いる「FOREMAST」、生産スケジューラの「Asprova」、会計/人事給与向けの「SuperStream-NX」などがある。キヤノンITSはAvantStageを、オールインワンではない“ベストオブブリード”として、これらのパッケージソフトウェアにとどまらない形で顧客に提案している。
製造業の現場層が求めるERPとは
製造業では、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)の活用、スマートファクトリーなどに代表されるように、デジタル化に向けた取り組みが進みつつある。国内の食品業界についてはこれまでIT投資が遅れていたが、製造業のデジタル化のトレンドを受けて、生産管理やSCMを中心とした需要が高まりつつあるという。
ただし、企業で用いられるITシステムのうちERPは、会計/人事給与向けでSAPなどの外資系統合ERPが主流となっており、経営層は製造業の業務系(生産管理やSCM)も会計/人事給与向けと同じ統合型ERPにオールインワンでまとめたいと考えている。その一方、工場や生産管理部門などの現場層は、統合型ERPは使いにくいと考えており、自身の業務や領域に特化したパッケージを求めているという温度差がある。この状況に対して、現場層のニーズを的確に取り込む形で、ベストオブブリード型の提案を進めているのがキヤノンITSのAvantStageになる。
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