車載イーサネットPHYが国内車載ソフトウェア標準化団体の準拠認定を取得:組み込み開発ニュース
Marvell Semiconductorは、1000BASE-T1準拠の車載イーサネットPHY「88Q2112」が、日本の車載ソフトウェア標準化団体であるJASPARの適合試験に合格したと発表した。
Marvell Semiconductorは2018年5月24日、1000BASE-T1準拠の車載イーサネットPHY(物理層トランシーバー)「88Q2112」が、日本の車載ソフトウェア標準化団体であるJASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)の適合試験に合格したと発表した。
88Q2112は、転送速度1GbpsのイーサネットPHY。メディア依存インタフェース終端抵抗を内蔵し、外付け部品を低減できるため、ボードコストが削減する。3.3V単一電源で動作し、1.8V、2.5V、3.3VのLVCMOS I/O規格にも対応する。
適合試験では、電磁両立性(EMC)エミッションやイミュニティの試験、RFイミュニティに対するバルク電流注入(BCI)試験、Gビット互換ハーネス利用による極温試験などが実施された。さらに88Q2112は、静電気放電(ESD)や対誘導ノイズ、最小絶縁抵抗試験、クロックスキュー、信号線の電源ショートやグラウンドショートの試験も含めた全ての試験に合格した。
JASPARの次世代高速LANワーキンググループは、年内に信号線のインピーダンス、ACカップリング、終端抵抗、CMC、ESD、水晶振動子について新しい規格を発行し、自動車部品メーカーやOEM業界へ1000BASE-T1技術の導入を加速させたいとしている。
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