産業用IoTのOS目指す「マインドスフィア」の現在地:ハノーバーメッセ2018(1/3 ページ)
工場など産業領域でのIoT活用には大きな注目が集まっているが、個々の企業でこれらのデータ収集、蓄積、活用の基盤を開発するには負担が大きい。こうした課題を解決する“産業用IoTのOS”を目指すのがシーメンスのIoT基盤「MindSphere(マインドスフィア)」である。開発責任者および日本での責任者の話を通じて現在地を紹介する。
工場など産業領域でのIoT活用には大きな注目が集まっているが、個々の企業でこれらのデータ収集、蓄積、活用の基盤を開発するには負担が大きい。こうした課題を解決する“産業用IoTのOS”を目指すのがドイツのSiemens(以下、シーメンス)のIoT基盤「MindSphere(マインドスフィア)」である。開発責任者および日本での責任者の話を通じて現在地を紹介する。
産業用IoTのOSへ
「マインドスフィア」はシーメンスが展開する産業用IoTプラットフォームで2016年にサービスを開始している。マインドスフィアの開発責任者で、現在セールスの責任者となっているシーメンス インダストリーソフトウェアの営業部門長であるFlorian Beil(フローリアン・ベイル)氏は、マインドスフィアのコアコンセプトとして「産業用IoTを実現するためのソフトウェアや接続性などを実現するテクノロジープラットフォームとして開発を進めた」と述べている。
さらに「重視したのは『オープン』『コネクティビティ(接続性)』『スケーラビリティ(拡張性)』で、デジタルツインを実現するようなシームレスな環境を実現することを目指した。さまざまな機器やソフトフェアをそれぞれが持つ環境にかかわりなく使えるようにするという点では“産業用IoTのOS”ともいえるかもしれない」とベイル氏は述べている。
マインドスフィアのユーザーおよび顧客には3つのパターンがある。1つ目は機器メーカーが機器のデータを収集するデータ基盤として使うケースである。2つ目が工場および生産ラインなどを運営するエンドユーザーが現場のデータ収集に活用するというものだ。そして3つ目がマインドスフィアを活用して新たな製品やサービスなどを展開するパートナーということになる。ベイル氏は「これらは明確に分離しているわけではなく重複する場合もあるが、主にはこの3つのパターンが考えられる」としている。
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