協働ロボットを自社開発した豆蔵、売り物は産業用ロボットの開発支援サービス:ESEC2018&IoT/M2M展
豆蔵は、「第7回 IoT/M2M展 春」(2018年5月9〜11日、東京ビッグサイト)において、自社開発した協働ロボット「Beanusシステム」を展示した。
豆蔵は、「第7回 IoT/M2M展 春」(2018年5月9〜11日、東京ビッグサイト)において、自社開発した協働ロボット「Beanusシステム」を展示した。
Beanusシステムは、同社が2016年から展開を始めた産業用ロボット開発支援サービスの技術力を基にして、独自に試作開発した7軸の協働ロボットである。可搬質量は3kg、最大動作領域は678mm、繰り返し位置精度は±0.1mm、重量は20kgである。
協働ロボットとして活用しやすいよう、7つの自由度により狭い空間で干渉回避できるようになっている。衝突検出機能も備えた。ダイレクトティーチング機能、産業用PCを用いるとともに機能安全規格も満たしたコントローラー、ロボットの動きをCGで視覚的に確認できるペンダントなども用意しており、協働ロボットとして販売可能な製品レベルにまで仕上げている。ただし、Beanusシステムは、豆蔵の産業用ロボット開発支援サービスの実力を実証するために開発したもので、量産販売する予定はない。
開発で最も難しかったのはロボットの制御システムで、東京工業大学や東京農工大学などの協力を仰いで構築した。「大学の先生からは、モノになるのに5年はかかると言われたが、2年で開発することができた」(豆蔵の説明員)という。
豆蔵の産業用ロボット開発支援サービスは、中国企業や国内ベンチャー企業向けなどで採用実績を積み重ねている。2017年からは、モデリング技術を中心とするソフトウェア技術に加え、メカやエレクトロニクスの技術も組み合わせて、工場の既存設備を活用した自動化サービスの提供に事業展開を広げた。「IoT(モノのインターネット)の潮流の中で、システム設計が重要になっており、そこで当社のモデリング技術が生かせる」(同説明員)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - いまさら聞けない産業用ロボット入門〔後編〕
日本が「ロボット大国」とも呼ばれる中、中心を担う産業用ロボットの概要と将来像について紹介する本企画。〔後編〕では、産業用ロボットと最新技術と将来像について、紹介したいと思います。 - いまさら聞けない モデルベース開発入門
あなたは人に「モデルベース開発」を正しく説明できるだろうか? プロセス改善手法の1つであるモデルベース開発の概念や特徴について解説 - 組み込みシステム開発における“モデル”とは?
組み込み開発に不可欠な2つの世界 ―ソフトウェアと制御― のモデルを使ってどのように開発が行われるのかを解説 - ブロック定義図の基礎
SysMLの言語要素や表記方法について、モデルの具体例を挙げながら解説。第1回はSysMLの構造図「ブロック定義図」について。 - UMLは組み込み開発を成功させる救世主
肥大化/複雑化する組み込み開発のさまざまな問題は、UML 2.0を用いたモデル開発を導入することで解決可能である