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「見る」「聞く」「話す」で産業機械を真のパートナーに、ベッコフが描く未来ハノーバーメッセ2018(1/2 ページ)

ベッコフオートメーションは、ハノーバーメッセ2018において、産業機械に新たに「見る」「聞く」「話す」機能を追加し、産業機械と人が真に協調する将来像の一端を示した。

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 ドイツのBeckhoff Automation(ベッコフオートメーション)は、ハノーバーメッセ2018(2018年4月23〜27日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、産業機械に新たに「見る」「聞く」「話す」機能を追加し、産業機械と人が真に協調する将来像の一端を示した。

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ハノーバーメッセ2018におけるベッコフブース(クリックで拡大)

「TwinCAT」に「画像」機能を追加

 ベッコフオートメーションでは、工場や生産領域におけるPCベース制御を訴えており、産業用制御を担うソフトウェアとして「TwinCAT」シリーズを展開してきた。製造現場で活用するさまざまな機能をこのソフトウェアで集約する取り組みを進めてきたが、特にPLC(Programmable Logic Controller)やモーション制御などで力を発揮してきた。その中で今回まず加えたのが「視覚」の領域である。

photophoto ベッコフオートメーションのリニア搬送システム「XTS」などを活用しマスカスタマイゼーションの実現をイメージした生産ラインデモ(左)と、その生産ラインにおける外観検査。これをTwinCATで実現していることが特徴(右)(クリックで拡大)

 「TwinCAT Vision」という画像認識機能を新たに追加し、画像処理機能をブロックとしてライブラリ提供できるようにした。そのため、PLCの機能としてマシンビジョンを簡単に扱えるようになった。製造現場においてマシンビジョンを含む画像認識の領域は重要性を増しているが、従来はモーション制御などの技術者と画像認識の技術者が異なり、それぞれで専門技術者を容易する必要があるなど、負担が大きかった。「TwinCAT Vision」により特殊なツールやプログラミング言語などなしにPLCプログラミング言語のみでマシンビジョンアプリケーションを扱えるようになる。機器としては、GigE Vision準拠のカメラがすぐに使える他、インテルが公開したオープンソースのコンピュータビジョン向けのライブラリである「OpenCV」が使用でき、さまざまなリソースを自由に活用できるという点も利点だ。

 ハノーバーメッセ2018では、マスカスタマイゼーションをイメージした生産ラインデモでのマシンビジョンによる外観検査を「TwinCAT」のみで実現する様子を示した。その他、探知、計測、認識などの3つの用途で「TwinCAT Vision」の機能を紹介した。

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photophoto 上から「TwinCAT Vison」における探知、計測、認識のデモの様子(クリックで拡大

産業制御機器に「音声」機能を追加する意味

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ベッコフオートメーション日本法人の代表取締役社長である川野俊充氏

 「TwinCAT Vision」は2017年11月に発表されたものだが、今回のハノーバーメッセ2018で「TwinCAT」の新たな機能として参考出展されたのが「TwinCAT Speech」である。「TwinCAT Speech」は音声認識のソフトウェアモジュールをTwinCATに追加したものだ。音声認識技術と発話機能を備え、音声ベースでの入出力や作業指示が可能となる。基盤となる技術はAmazon.comの音声技術「Alexa」のエンジンを使用しているという。音声認識技術を制御などと統合することで、「危ない」といえば機械を止めるなど、より自然なインタフェースで機械と人が協調することが可能となる。

 ベッコフオートメーション日本法人の代表取締役社長である川野俊充氏は「協働ロボットなど人と機械の協調は大きなテーマとなっているが『当たったら止まる』などのレベルでは、作業を協調して行う上では非効率だ。もっと自然な形でコミュニケーションできることで、人と機械が真のパートナーとなり、作業の新たな効率化が実現できる。その意味で産業機械に五感を与えることが重要な意味を持つ」と価値について述べている。

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注目を集めた音声認識コーナー(クリックで拡大)

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