SOLIDWORKSはどれだけ便利になったのか、懐かし「SolidWorks 95」もちらっと登場:3D設計推進者の眼(29)(2/3 ページ)
機械メーカーで3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者から見た製造業やメカ設計の現場とは。今回は、筆者が参加した「SOLIDWORKS World 2018」の3日目の内容を中心に紹介する。
「SolidWorks95」を使ってみたが、使いづらい(笑)
今回私は、展示会場、ダッソーシステムズのブースにあったSolidWorks95を操作することができました。SolidWorksは1993年に設立されました。この製品は、その2年後の1995年に販売された最初のライセンス版ということになります。
現在、私が使用しているSOLIDWORKS2018と比べてみると、SOLIDWORKSとしての雰囲気は似ているものの、コマンドメニューはいったいどこにあるのか分からないほどシンプルなGUIで構成されています。簡単な3Dモデルは作成することができましたが、2D図面は操作方法が分からず、最終的に製図を行うことはできませんでした。
これで現行のバージョンがいかに使いやすいのかを実感しました。ずいぶん進化したのですね。
「SOLIDWORKS MBD」関連
SWW2018では200を超える「ブレイクアウトセッション(Breakout Session)」といわれるテクニカルセッション(いわゆる「分科会」)がありました。私が講義を聞こうとした開催前に予定したセッションは下の「My Schedule」の通りになります。
ちなみに、SOLIDWORKS製品を操作しトレーニングを受けることができるハンズオンセッションはSWW2018が開催されるかなり前から満席状態でしたので、参加者の熱意が感じられます。私もCAEに関するものなど中心に毎日フルに参加しましたが、この記事では公差設計・公差計算につながるものとして、GD&Tのセッションのお話をします。
私が聴講したセッションは、「Ensure GD&T Practices in Models Directly with SOLIDWORKS MBD」(※1)です。このセッションは、SOLIDWORKS MBDの使用歴が1〜3年の初級者が対象です。ちなみに、私はまだ使用していませんが、大変興味を持っている製品です。
SOLIDWORKS MBD(Model Based Design)は図面レスに向けたSOLIDWORKSのソリューション(製品)です。2D図面とは異なり3D上に設計製造情報を示すことができます。簡単に言えば、部品の形状はジオメトリで表現され、寸法・寸法(サイズ公差)・幾何公差を表すことができます。
MBDでは、アセンブリー上での寸法個々のパーツの寸法(サイズ公差)・幾何公差を表すことを容易に行えるとのことで、これは、私が取り組んでいる公差設計・公差解析にも適しています。
今私が評価・運用しているSOLIDWORKSにアドイン可能な国産初の公差解析ソフトTOLJ(株式会社 公差設計研究所)では、私がMBDを所有していないので、個々のパーツの“隔離”操作をしながら、“スマート寸法”を用いてアセンブリー上への寸法表示を行っています(SOLIDWORKSに搭載する「TolAnalyst」ではこの操作は行わず「DimXpert」を使用します)。
このように、3D CADデータと拡張性の高いソフトウェア連携においては、MBDの使用によりその範囲が広がる可能性を持っています(この公差解析ソフトのお話はあらためて行います)。
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