CAN通信を無線LANに変換する産業用車両向けブリッジを発売:組み込み開発ニュース
サイレックス・テクノロジーは、産業用車両向けにCAN/無線ブリッジ「CDS-2150」を発売した。CAN情報を無線LANに変換、配信、ロギングし、有線CAN配線を省配線化できる。
サイレックス・テクノロジーは2018年1月29日、産業用車両向けに、CAN/無線ブリッジ「CDS-2150」を発売した。CAN情報を無線LANに変換、配信、ロギングし、有線CAN配線を省配線化できる。
Linux OSと同社の無線LANモジュールを搭載し、機器間の制御情報の転送などに使われるCAN通信を無線LANに変換できる。IP通信やIoT(モノのインターネット)アプリケーションと親和性が高く、車両、産業機器などのCANバスとの接続によって、無線LANを使ったワイヤレス稼働監視や省配線CANネットワークが構築できる。
内蔵のeMMCストレージを使ったCANロガー機能により、動作異常の早期発見や作業員の操作解析などのIoTサービスにも活用できる。車両や産業機器への標準搭載を想定し、−30〜65℃の動作温度や防水防塵、耐振動、車両電源など車載向け仕様に対応した。
また、車両ロギングで必要となる高速起動や2.5秒の高速ロギング開始をサポートし、電源投入直後からCANログを取得できる。CAN/無線変換機能では、CANの最大ボーレート1Mbpsの低帯域、小サイズフレーム通信に最適化しており、広帯域な無線LAN通信もストレスなく通信できる。
無線LANモジュールには、IEEE 802.11b/g/nに対応する同社の「SX-SDMGN」を採用。他に、アクセスポイント機能、ステーション機能、WPA-PSK(AES/TKIP)/WPA2-PSK(AES)暗号化機能などにも対応する。外部接続のインタフェースとして、無線LAN、CAN、USB、RS-485/422、デジタル入力、デジタル出力を標準でサポートする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- CANプロトコルを理解するための基礎知識
現段階においてCANは車載ネットワークの事実上の標準といえる。だからこそ、その特長と基礎をしっかり押えておきたい - 次世代の車載ネットワーク「CAN FD」とは
セキュリティ対応や自動運転などの車両の高機能化に伴い、より高速な車載ネットワークが求められている。本稿では次世代の車載ネットワークの1つとして考えられているCAN FD導入の背景やプロトコルの概要ついて紹介する。 - 知っておきたいLINの基礎知識 その1
自動車のボディ制御に使われる通信プロトコル「LIN」。その基礎から、フレーム構造やネットワークマネジメントといった仕様までを解説する - 日本発の車載LAN規格「CXPI」は「CANとLINのイイとこどり」
日本国内で開発/策定された車載LAN規格「CXPI(Clock Extension Peripheral Interface)」が、自動車技術会のもとで2019年のISO化に向けて動き出している。CXPIは、CANやLINの適用が難しかった部位の多重通信化を狙う。機器間を1対1でつないでいたワイヤーハーネスをCXPIで多重化できれば、車両の軽量化にもつながる。CXPIの開発の背景や、導入のメリットなどについて話を聞いた。 - 置くだけで簡単に無線LANを構築できるメッシュネットワークシステム
サイレックス・テクノロジーは、置くだけで簡単に無線LANを構築できるメッシュネットワークシステム「BR-400AN」を発表した。「切れない無線」が必要とされる用途に向け、順次展開予定だ。 - Windows 10 IoTに新機能、IoTデバイスのワイヤレスUSB接続が可能に
日本マイクロソフトは、「第6回 IoT/M2M展」において、組み込み機器向けOS「Windows 10 IoT」に関する展示を行った。2017年4月に提供を始めた「Creators Update」で追加された新機能「MA-USB」をアピールした。