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自動車専門メディアとの熱い戦い、2017年の“メディア4耐”モータースポーツ(2/4 ページ)

28回目を迎えたマツダ「ロードスター」ワンメークの耐久レース、「メディア対抗4時間耐久レース」に参加した。プロチームでなくても、モータースポーツは熱く盛り上がる。

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 前日にマシンの最終チェックをするために筑波サーキットを訪れたわれわれであるが、この時点になって問題が判明する。ロールケージとバケットシートの空間がかなり狭く、ヘッドクリアランスが不足しているのだ。特に背の高い柿澤選手はヘルメットとロールケージが干渉しており、首を曲げながら収まっている状態だった。

 幸い、シートのマウント部分を見ると取り付け位置が調整できそうなので、急きょマツダのメカニックに頼んでバケットシートのマウント位置を下げてもらうことに(シート内側にクリアランスがないので作業は大変!)。わずかな取り付け位置の変更で大きく改善した。

 さらに昨年まで装着されていたLEDランプがなぜか撤去されていたので、サーキット近くのホームセンターでライン状のLEDランプを購入しなければならなかった。カメラのセットとともに山口選手が配線を作って装着。これで夜間走行でも、自分たちのマシンを識別しやすくなった。いよいよ翌日はレース当日であるが、ここでもハプニングが幾度もわれらがチームを襲うのである。

交信用の電話に使えないモノが続出!


ポジションランプが点かなくなり、急きょマツダのメカ(赤いシャツ)に囲まれ、緊急作業で解決!(クリックして拡大)

 まず起こったのは、携帯電話の音声が聞こえないという少々深刻なもの。ピットとドライバーの交信用として用意した携帯電話機とイヤフォンマイクのうち、通話できないモノが何基も出てきてしまったのだ。社内をかき集めて用意した機材のうち何とか3台は使えるものを確保できたので、レース中に空いている電話は充電しながら待機させることに。ピット内の電源タップはただでさえモニターやPCなどで利用しているのに、幾つもの充電器も差し込まれてもはやタコ足配線状態である。

 公式練習で4人のドライバーが足慣らしをし、予選は決勝アンカーの斎藤氏が務めることにした。これも公式練習を5人で走るとドライバー交代のロスタイムばかりでロクに走れないことから、私が提案した作戦だった。

 公式練習の時は路面がウエットで、皮むきもしていないタイヤではグリップレベルが低過ぎて、何もできない状態に。予選で初めてマシンのステアリングを握る斉藤氏も何が何だか分からない手探り状態で、狂ったような速さで攻めまくる元プロドライバーや現役レーサーの走る予選に放り込まれたのだから、その戸惑いと怖さは想像以上に違いなかった。

 そのため予選順位は26台中最下位。それでも決勝はローリングスタートだから、スタートドライバーを務める西坂選手の負担を考えれば、最後尾スタートの方がいいと考えていたので、これはこれで作戦通りだ。

 それでも予選が終わってやれやれとしている中、柿澤氏がお好み焼きを食べたいと発言。この日サーキット奥の芝生スペースではさまざまなイベントが催され、広島の名産品の販売とともに、広島風お好み焼きの無料配布が行われていたのだ。

 決勝前に軽く食事をしておこうと思った私も柿澤氏の提案に乗り、2人でブラブラと芝生スペースまで歩く。実はこの時間にドライバー交代の練習をしようと選手兼監督である西坂氏は予定していたのだが、われわれときたらお好み焼きを受け取る行列に並んでいたのである。これが後に、重大な問題を引き起こすことになるとは、誰も予想していなかった。

 そろそろ決勝スタートの準備をしようというころ、新たな問題が発生する。何とスモールランプが点灯しないのだ。フロントはヘッドライトが点灯すれば安全上は問題ないかもしれないが、リアはブレーキランプが点いていなければ無灯火になってしまうので他の参戦車両からの視認性の点で危険だ。そもそも車両規定違反に問われる可能性がある。

 マツダのメカニックたちに調べてもらった結果、テールランプのヒューズが切れていることが判明。ヒューズが切れた原因はおそらく、シガーライターソケットに追加した電装品からのノイズであろうとのこと。CANで制御しているクルマにとって、大きな電流が流れる配線からのノイズ侵入は、電装系にさまざまな悪さをするようだ。

 ともあれ、これで決勝のグリッドにマシンを並べられるとホッとしたわれわれであったが、スタートドライバーの西坂選手にとっては、このハプニングが心の余裕を大きく奪ってしまっていたようだ。

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