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オートデスク新CEO「AIやロボットは仕事を奪わない、より多くの仕事を生み出す」Autodesk University Las Vegas 2017(1/2 ページ)

オートデスクは、同社ユーザーイベント「Autodesk University Las Vegas 2017」を開催。初日の基調講演には、2017年6月に新たに社長兼CEOに就任したアンドリュー・アナグノスト氏が登壇し「AIによる自動化やロボット技術は、人間から仕事を奪うのではなく、より多くの仕事を生み出すだろう」と述べ、新技術の大きな可能性について説明した。

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オートデスクのアンドリュー・アナグノスト氏
オートデスクのアンドリュー・アナグノスト氏

 オートデスク(Autodesk)は、同社ユーザーイベント「Autodesk University Las Vegas 2017」(2017年11月14〜16日、米国ネバダ州ラスベガス)を開催した。初日の基調講演には、同年6月に新たに社長兼CEOに就任したアンドリュー・アナグノスト(Andrew Anagnost)氏が登壇し「AI(人工知能)による自動化やロボット技術は、人間から仕事を奪うのではなく、より多くの仕事を生み出すだろう」と述べ、新技術が持つ大きな可能性について説明した。

 アナグノスト氏は「さまざまなデジタルツールを展開している当社は自動化の企業と言ってもいい。AIやロボットによる自動化が人間の仕事を奪うという意見があるが、産業革命から直近のデジタル革命に至るまで、自動化がより大きな雇用を生んできたことを認識すべきだ」と語る。その上で「われわれは自動化によって『MORE』『BETTER』『LESS』を生み出していきたい」(同氏)という。

自動化によって「MORE」「BETTER」「LESS」を生み出す
自動化によって「MORE」「BETTER」「LESS」を生み出す(クリックで拡大)

 自動化の事例として挙げたのが銀行業界だ。1967年にATMが導入されたとき窓口の出納係の仕事がなくなると言われたが、その後銀行業界の総雇用は増加した。これは、特定のプロセスが自動化されたことで、銀行は他の業務にそのリソースを割り振って新たな業務を開拓し、そこからより多く(MORE)の雇用が生み出されたためだ。

 他にも、出版業界ではデスクトップパブリッシングによる影響が懸念されたが、グラフィックデザイナーや新たな執筆者たちの仕事を掘り起こした。そしてデジタル革命によるWeb技術は20年前にはなかったブロガーという職業を生み出している。映画やテレビもインターネットによるメディア接続によって厳しい状況に追い込まれている一方で、NETFLIXのようなサービスによって数千人を対象とするようなコンテンツが100万人を対象とするような大ヒット映画と同じくらいの利益を上げられるようになっている。「自動化はコンテンツ業界を委縮させず、より良い(BETTER)ものを作り出したといえる」(アナグノスト氏)。

 アナグノスト氏はイベントの参加者にとってより近しい話題を例に挙げた。「かつて、手書きで図面を描く時代の設計者(Drafter)は米国に30万人しかいなかった。しかし、CADのような設計ソフトウェアの登場により設計者の数は世界で1000万人を超え、新しい産業や職種を生み出した」(同氏)。その上で同氏は「自動化が仕事を奪うことを心配するよりも、自動化によってわれわれが得られることを考えるべきだ」と主張する。

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