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ソフトバンクに買収されたArmの日本法人アームは「日本の経済に貢献する」組み込み開発 インタビュー(1/2 ページ)

ソフトバンクがプロセッサコアIP大手のArmを買収して1年強が経過した。親会社と同じ日本にあるArmの日本法人アームは、どのような事業展開を模索しているのだろうか。アーム社長の内海弦氏に、新たに注力しているIoT関連事業を中心に話を聞いた。

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 Armと言えば「Cortexファミリー」をはじめとするプロセッサコアIPベンダーとして広く知られる企業だ。日本では、ソフトバンクが2016年7月に約3兆円もの資金をつぎ込んでの買収を発表したこともあって、さらに注目を集めた。

 ソフトバンクのグループ企業となったArmだが、2014年ごろから、主力製品であるプロセッサコアIPプロダクトとは別建てとなるISG(IoT Service Group)と呼ぶ事業部門を設けて、IoT(モノのインターネット)関連のサービス事業への注力を続けている。クラウド開発環境の「Mbed」(関連記事:連載『「mbed」で始めるARMマイコン開発入門』)、IoTデバイス向けのOS「Mbed OS」(関連記事:ARM「mbed OS」とは何か?その詳細と動向)、そしてIoTデバイスの管理に用いるクラウドプラットフォーム「Mbed Cloud」(関連記事:ARMのクラウドプラットフォーム「mbed Cloud」は「大手IT企業と競合しない」)はISGの事業拡大の布石となるものだ※)

※)Armは2017年8月から企業名や製品名の表記を変更した。例えば、従来は「ARM」「mbed」だったが、現在は「Arm」「Mbed」になっている。

 日本法人であるアームも、単なる一現地法人から、親会社であるソフトバンクと最も密な接点を持つ拠点となり、その活動も活発になっている。アーム社長の内海弦氏に、ソフトバンクの買収による事業活動の変化や、注力を続けているISGの状況などについて聞いた。

IoT関連事業でも“ニュートラル”で“フェアー”にライセンス提供

アームの内海弦氏
アームの内海弦氏

MONOist ソフトバンクの買収によって、日本法人であるアームの活動内容にどのような変化がありましたか。

内海氏 海外企業の日本法人ではあるものの、アームとして日本の経済に貢献したいという気持ちは強い。買収前は、英国本社や株主の意向が重視されており、そういった気持ちを実業につなげるのは難しいことも多かった。しかし現在は、株主であるソフトバンクが日本にいるわけで、以前よりも格段に風通しが良くなった。

 日本は技術のタネができる国であり、自動車、ハイテク、FA、医療機器などの分野では技術のトレンドセッターだ。その技術のタネを使って日本の経済に貢献する活動を強い意志を持ってやれる環境が整ったと感じている。

MONOist そういった環境で、IoT関連の事業部門であるISGはどのような戦略で事業を進めているのでしょうか。

内海氏 Armが事業を進める上でのスタンスは“ニュートラル”と“フェアー”だ。プロセッサコアIPについても半導体メーカー間の自由競争を阻害するような肩入れをすることはなくフェアーに事業を展開している。

 ISGでも同じことがいえる。IoT関連では多くの企業がさまざまなソリューションを展開しているが、それらの企業に対してオープンにライセンスしていく。例えば、ソフトバンクは親会社かもしれないが、他の通信キャリアやITベンダーとも一緒にやっていく構えだ。

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