ノウハウを可視化、標準化しテスト設計の品質/効率を向上するツール:組み込み開発ニュース
ベリサーブは、ソフトウェアのテスト設計作業を支援するツール「TESTRUCTURE」の提供を開始した。テスト設計のプロセスの可視化やレビューが容易になり、ノウハウの標準化や共有、再利用が可能になる。
ベリサーブは2017年9月1日、ソフトウェアのテスト設計作業を支援するツール「TESTRUCTURE(テストラクチャー)」の提供を開始した。PC1台あたりの年間ライセンス利用料は24万円(税別)となる。同社では、3年間でライセンス収入で1億円、テスト設計後に発生する作業を含めて10億円の売り上げを見込んでいる。
TESTRUCTUREは、トレーサビリティーを確保しながらテスト設計作業を支援するツールだ。これまでテスト設計は、設計者個人の経験やスキルに依存していたが、同ツールによりテスト設計のプロセスの可視化やレビューが容易になり、ノウハウの標準化や共有、再利用が可能になる。
また、テスト設計者が開発仕様書にタグ付けした情報を自動的に一覧表示できる。そのタグ付け情報について、テンプレートを用いてテスト対象の機能やテスト観点別に階層に分けて整理できる。テスト観点や条件を指定することで、テスト項目やテストケースを自動生成できる機能も持つ。
開発仕様書が変更になった場合は、新旧の差分を自動的に抽出し、該当するテスト項目やテストケースを強調表示することができる。
ノウハウの可視化によって、設計者のスキルに依存しないテスト設計が可能になり、対象機能やテスト観点の抽出漏れも防止できるため、テスト品質が向上する。さらに、テストプロセスが標準化されることで、テスト項目の作成効率も約30%向上するとしている。
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