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マルヤナギが“シンの”トヨタ生産方式で維持する高い品質と鮮度管理のヒミツ鈴村道場(7)(3/4 ページ)

トヨタ生産方式の達人・鈴村尚久氏による連載コラム「鈴村道場」。前回に引き続き、“シンの”トヨタ生産方式の実践事例を紹介する。創業から66年の歴史を重ねる、マルヤナギ小倉屋では、約10年間で定着させた“シンの”トヨタ生産方式により、高い品質と鮮度管理を維持しているという。

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3.実践内容の詳細

 マルヤナギにおける固定観念打破プロジェクトの詳細は以下の通りです。

(1)ジャストインタイム、後補充生産の導入

 製品ストアは定番地化し、目で見て探せばすぐ分かるようにしました。もちろんコンピュータ管理システムは撤去しました。14列目の3段ラックも撤去されました。

 後補充生産により、4階層の工程間を引取りカード、生産カードで回すようになりました。原料から製品までの全ての工程を後補充で定着させるということは、口で言うのは簡単ですが、実際には各工程がそれぞれ安定した生産ができないと実現してもすぐに崩れるのです。しかしマルヤナギはしっかりと定着しています。私の細かい指導の1つ1つを社員、パートの方がしっかり理解した上で自分のものにしているのだと感じます。

(2)出荷期限管理の徹底

 「物と情報の流れ図」を書いて、問題がおきる都度全体を捉えて各部署における課題と対策検討を続けました。出荷期限管理については、黄色:予備軍、赤色:期限間近のものetc.……といった管理を徹底しました。

(3)高い品質確保に向けたカイゼン文化の定着

 これは直接私が指導したことではありませんが、金属探知機、X線による異物混入防止の仕組みとトレーサビリティーシステムを自社で導入しています。人間力でできることは最大限努力し、最新技術で補うところは補うといった経営者の方針が明確になっていると言えます。

 製品の梱包時に異物混入がないか画像をとって記録しています。そうすることで、万が一顧客からクレームが来た際にロットナンバーと呼ばれる商品の製造単位の識別番号から、その時に異物が入っていたか画像を確認して迅速に対応できる品質保証体制を確立しています。

図3
図3 固定観念打破プロジェクトの実施内容(クリックで拡大)

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