機能安全規格に準拠した成果物の管理を効率化するトレーサビリティーツール:組み込み開発ニュース
キャッツは、機能安全規格に準拠する成果物のトレーサビリティー管理の効率化を図れるツール「ZIPC TERAS Ver.3.0」の販売を開始した。
キャッツは2017年7月24日、システム開発における成果物間の関連性を管理するトレーサビリティーツール「ZIPC TERAS Ver.3.0(ジップシーテラス)」を発売した。機能安全規格で要求されるシステム開発の成果物間トレーサビリティーの効率化を図り、開発のQCD向上を支援する。
ZIPC TERAS Ver.3.0は、Microsoft Word、PDFなどの既存のドキュメント類を項目ごとに分解し、取り込むことができる。従来バージョンに比べ、ドキュメント類の効率的なトレーサビリティーの要素化、管理ツールとの連携強化、大規模な開発への対応がより一層可能になった。仕様・設計変更や派生開発などで機能/性能/品質低下を起こさないため、変更箇所からの影響範囲を素早く把握する。
モデルベース開発に広く利用されている「MATLAB/Simulink」のモデル解析/分解/取り込みも可能だ。対象文書にあらかじめ記載されたトレースタグを解析し、対応する項目間を自動でリンクする。また、正規表現でソースコードやログファイル、XMLなどのテキストベースの文書を解析し、項目を抽出。影響範囲分析やカバレッジ確認結果を基にCMツールのチケット起票が可能で、チケットもトレーサビリティー管理対象にできる。
近年、ソフトウェアの大規模化/複雑化により、対象製品やシステムの品質を確保し、その説明責任を果たすための開発プロセスと仕組みが求められている。開発プロセスの各工程で生じた成果物間のトレーサビリティーを確保するツールの需要が高まっており、ZIPC TERAS Ver.3.0はこれらの市場要求に対応するものだ。
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