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PLA、PEI、ABS、そしてABSライク? 3Dプリンタ材料いろいろママさん設計者とやさしく学ぶ「機械材料の基本と試作」(5)(5/6 ページ)

ママさん設計者と一緒に、設計実務でよく用いられる機械材料の基本と、試作の際に押さえておきたい選定ポイントと注意点を学んでいきましょう。今回は、3Dプリンタの材料をいろいろ紹介します。

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インクジェット方式は「〜みたいな?」材料

 それでは、インクジェット方式での代表的な材料について解説いたしますね。まず、インクジェット方式で使われる材料は全て「合成品」になります。ですから「本物」と区別して○○○ライクとしているのです。ずわいがにのカニ肉とカニかまぼこの比較でイメージするとよく分かるかと思います。

 ライクとは英語の「Like」で、訳すと「類似」とか「あたかも」などと出てきます。今どきな感じで表現するなら「〜的な?」「〜みたいな?」といったところでしょうかね。

ABSライク

 すなわち「ABS的な」「ABSみたいな」材料です。あくまでも「ABSに似せたモノ」なので本物のABS並みの強度はありませんが、耐熱性や靱性を求める試作やABS製品のシミュレートに用いられます。断面を見ると二層になっているのが分かりますね。表層は耐熱性の高い材料、内層は靱性の高い材料のコンビネーションになっています。ちなみに、このABSライクを応用した金型が、最近注目を集めている「デジタルモールドシリーズ」です。

PPライク

 PP(ポリプロピレン)ライクは、ABSライクと同じくPP製品のシミュレート用によく使われる材料です。本物のPPに近い色調と物性を持っていて、インクジェット用材料の中では比較的高靭性で、耐衝撃性に優れています。

ゴムライク

 まさにゴムのように柔らかく自在に屈曲できる材料で、ゴム成形品の試作にぴったりです。材料の混合割合によって硬度を調整することも出来ます。

 さて、次に光造形についてです。実は、光造形方式は3Dプリンタの中でもっとも長い歴史を持つ方式で、筆者がかつて初めて見たラピッド・プロトタイピング装置が、コレです。

 光造形の光とはUVのことで、UVを当てると固まる液体樹脂に紫外線レーザーをあてながら一層ずつ硬化させていきます。材料の多くは、エポキシ系の液体樹脂です。これを満たした槽の上からUVレーザーで造形品のデータを照射して1層目を硬化させます。次にステージを1段下げて同じようにUVレーザーを照射、そして一段下げて……を何層も繰り返して造形品を完成させます。完成した造形品が槽の中からせり上がってくる様子は、ちょっとカッコイイのです。精度の高い造形品が作れる一方で、設備の価格が他の造形方式と比較してかなり高価です。


光造形機

 この方式での造形品は強度的に実用には適さず、これをマスターモデルとしてシリコンゴムで型を作り、真空注型で複製品を作ることがほとんどです。注型材料には主にウレタン系樹脂とABSライクが用いられ、塗装やめっき仕上げも可能です。

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