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「カロセリ」「シート表皮張り替え」、インドネシアの個性豊かな出展社新興国自動車事情(6)(1/4 ページ)

およそ2億6000万人というASEAN地域最大の人口を持ち、同時に地域最大の自動車市場を抱えるインドネシア。とはいえ自動車産業の集積という点ではタイにまだまだ及ばず、国を挙げての産業育成を目指しているところです。モーターショーではそうした意気込みと、大衆の「クルマへの憧れ」とあいまった熱気を感じることができました。

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2つの国際モーターショーが毎年開催される

 インドネシアの首都ジャカルタでは、国際モーターショーが年に2つ開催されています。もともとはインドネシア国際モーターショー(IIMS)というイベントが開催されていたのですが、これをサポートしていたGAIKINDO(ガイキンド)が離脱し、2015年から独自のイベントとしてガイキンド・インドネシア国際オートショー(GIIAS)を開催するようになりました。今回ここで紹介するのは、後者GIIASの2016年の様子です。

会場となるICEは2015年に竣工したばかり。ジャカルタ市の中心部からは20kmほど離れていて、公共交通機関もないためアクセスに難があるのが惜しい(クリックして拡大)

 GAIKINDOは「インドネシア自動車製造者協会」の略称で、日本でいえば自動車工業会に相当する組織。ですから国を代表する国際的イベントとしての役割は、現在はGIIASが担っているといえます。ただしIIMSとGIIASのどちらも毎年開催されているのですが、現在のところIIMSの来場者が大きく減ったということはないようです。大衆がどれほどクルマに夢や憧れを抱き、モーターショーを楽しみにしているかということがうかがえます。

展示ホール内部は、中央部を横断する通路の両脇にブースが並ぶシンプルなレイアウトが採用され、見やすいものになっている(クリックして拡大)

 そんな欲求を反映してか、GIIASでも飲食イベントを同時開催するなどして、お祭りとして楽しめるようになっていることが印象的でした。会場はジャカルタ郊外の新開発地区、BSDシティーにあるインドネシア・コンベンション・エキシビジョン(ICE)。2015年のGIIASがこけら落としとなった、まだ真新しい見本市会場です。

 展示ホールの床面積は4万8600m2と、東京ビッグサイトのおよそ半分強といったところ。ちなみにBSDシティーはイオンモールのインドネシア第1号店がオープンしたことで日本でも話題になったので、聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

中心近くには主催者が設置した「プレミアムカフェ」があった。本来はフォードがブースを設置する場所だったが、出展を「ドタキャン」したための措置だとのこと(左)。屋外で開催されていた「フードトラック・フェスティバル」の様子。いわゆるキッチンカーを集めた臨時フードコートで、洋の東西を問わずさまざまなものが飲食できるようになっていた(中央、右)(クリックして拡大)

日系ブランドがほぼ全てを占める特異な市場

 ここで、インドネシアの新車市場について簡単に紹介しましょう。GAIKINDOの統計によれば、2016年の新車販売台数は106万2729台。これは商用車も含めた台数ですが、ASEAN地域ではトップの数値です。ちなみに2位のタイは約77万台、3位のマレーシアは約58万台で続きます。

 そしてインドネシア市場で最大の特徴は、日系ブランド車がほとんど全てのシェアを占めているということ。その比率は実に98.5%(2016年)で、なんと日本よりも日系ブランドのシェアが高いということになります。ただしジャカルタ市内では、富裕層が欧米自動車メーカーの高級モデルに乗っているのをよく見かけるため、そこまで日系ブランドのシェアが高いようには感じられません。

第一汽車とタタは商用車の出展で、大型のトラックやトラクターヘッドをメインに並べた。タタブースの最小モデルは排気量700ccのディーゼルエンジンを搭載したフードトラック(クリックして拡大)

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