「Windows 10 IoT」はなぜIoTデバイスのためのOSなのか:充実一途の「Azure Certified for IoT」も
IoT時代に求められるデバイスOSとは何か。マイクロソフトは「第6回 IoT/M2M展」において、その答えを披露する。充実を続けるIoTデバイスの認証プログラム「Microsoft Azure Certified for IoT」の魅力にも迫る。
2017年5月10〜12日にかけて、東京ビッグサイトで「Japan IT Week 春」が行われ、ここで「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC2017)」や「第6回 IoT/M2M展(IoT/M2M展)」が開催されるのはご存じの通り。マイクロソフトは、西3・4ホール(西館4階)で開催されるIoT/M2M展に出展し、IoT(モノのインターネット)デバイスのためのOSである「Windows 10 IoT」を搭載するさまざまな製品とソリューションをパートナーと共に展示する。また、IoTデバイスのクラウド接続性を認証するプログラム「Microsoft Azure Certified for IoT」の進捗も紹介する。
「Windows 10 IoT」の生産性とセキュリティ、コネクティビティ
IoTではさまざまな形状のデバイスが同一のシステム内に混在するケースが多くある。Windows 10 IoTであれば、小型デバイスから大型装置まで単一のWindowsプラットフォームでカバー可能で、アプリを流用できたり、共通の開発環境を利用できたりすることから、コストの節約はもちろん生産性も大幅にアップする。
IoTのフレームワークでは、言うまでもなく大切な企業データや顧客情報も扱うことになる。セキュリティは情報システムだけの問題ではなく、データを獲得するIoTデバイスにも細心の注意が必要だ。Windows 10 IoTを使えば、マイクロソフトの鉄壁のセキュリティ対策によってデバイスOS部分のセキュリティを完全に担保する。
もちろんIoTデバイスには、クラウドや他のデバイスとの接続性も求められる。Windows 10 IoTはその接続を簡単に行うことができ、ビジネス分析を加速することも可能だ。
IoT/M2M展のマイクロソフトブースでは、これらWindows 10 IoTの特長を体験できる展示が行われる。パートナー企業13社(アヴネット、アドバンテック、インタフェース、エプソンダイレクト、岡谷エレクトロニクス、沖電気工業、コンテック、DTSインサイト、東京エレクトロンデバイス、ネクスコム・ジャパン、日立ケーイーシステムズ、日立製作所、菱洋エレクトロ)もミニブースを設けて、Windows 10 IoTの利点をアピールする予定だ。
新しいモノと既存の資産の両方をクラウドまで一気につなぐ
Windows 10 IoTとともに展示の中核となるのがMicrosoft Azure Certified for IoTだ。もともとは2015年末に発表された認証プログラムであり、「IoTの“ラストワンマイル”を埋めるもの」として国内では前回の「ESEC2016」で一般に広く紹介された。
話題のIoT(モノのインターネット)をデバイスから見て分類すると「既に存在する機器から獲得済みのデータを活用するIoT」「これまでネットワークに接続されてなかった機器がつながることでデータを獲得するIoT」「新たに登場したモノがデータを収集/活用するIoT」の3つに分けることができる。
これらの中で3つ目に当たる「新たに登場したモノがデータを収集/活用するIoT」は、例えばコネクテッドカーやドローンなどがその最右翼になるだろう。こうしたモノを、どれだけ迅速かつ効率よく接続していけるが今後は重要になる、というのがマイクロソフトの見立てだ。
そこで同社は、新しいモノと既存の資産の両方をクラウドまで一気につなぐための要素技術の集合をIoYT(Internet of Your Things)として提唱している。これは、常にユーザーの立場を最優先し、できるだけ負担の少ないIoTの構築をサポートするための考え方である。その一例として、同社が提供するクラウド「Microsoft Azure」は、Windowsに限らないOSベースのデバイスのサポートや他社の各種サービスにも対応している。
Microsoft Azureには、機械学習やデータベース、ストリーミング処理など60余りのクラウドサービスがあり、その数は日ごとに増え続けている。IoT向けについては最小限の機能を組み合わせた「Azure IoT Suite」がある。“最小限”とは言っても、イベント管理、ドキュメントデータベース、ストリーミング解析、機械学習、データ可視化ツールなどが、IoTのよくあるシナリオに基づいて全て用意されている。簡単なリモート監視のシステム程度なら10万円強で構築できるという手軽さと、多数のセンサーや設備を組み合わせた大規模な建物管理システムの構築なども可能というスケーラビリティを兼ね合わせている。
とはいえ、いくらAzure IoT Suiteが優れていても、これをつなぐことに手間取っていてはIoTとしての価値を出せない。そこで、Microsoft Azureへの接続性を担保することを目的にマイクロソフトが行っている認証プログラムがMicrosoft Azure Certified for IoTというわけだ。この認証を得たIoTデバイスは、IoTデバイスとの接続に適したエンドポイントである「Azure IoT Hub」と接続して「Azureへ接続する」「データをAzureへ送る」「データをAzureから受け取る」ことが保証される。つまり、認証取得デバイスを使えば、最小限の手間でAzure IoTを利用したIoTアプリケーションを構築できるのである。
認証済みデバイスは、ここ1年で急増
さて、1年前のESEC2016の段階では、このMicrosoft Azure Certified for IoTを取得したデバイスはそう多くなかった。何しろプログラムが開始したのが2015年末だから、まだ半年も経過していない時期である。ではそこから1年たった現在はどうなっているのだろうか。「Azure Certified for IoT デバイスカタログサイト」からその一覧を見ることができるが、その数は着々と増えている。
認証プロセスは非常に簡単で、かつ無料で行うことができる。上記のカタログをはじめ、マイクロソフトが行うさまざまなイベントやキャンペーン上でPRする機会もあるため、デバイス製造者にとっては、知らないと損をするプログラムである。
カタログは、一覧表示にすると全世界の製品が全て出てくるが、ほとんどの製品は国内の代理店が扱っており、その意味ではよくありがちな「数は並んでいるけれど、入手方法が無い製品ばかり」といったカタログではない。実際に要求あるいは機能に合わせて選ぶ際に利用できる、「使える」カタログになっているのが特徴だ。
さらに言えば、この1年の間には国内でも多くのメーカーの製品がMicrosoft Azure Certified for IoTを取得している。以下の表の9製品は、認証済みデバイスとして、今回のIoT/M2M展のマイクロソフトブース内で展示するパートナーから入手可能となっている。
会社名 | 製品名 | 特長 |
---|---|---|
アドバンテック | ARK-2121L | マルチI/O対応、リモート機器管理ソフトWISE-PaaS/RMM搭載済IoTゲートウェイ |
アドバンテック | UBC-220 | 低消費電力&小型IoTゲートウェイ |
コンテック | ボックスコンピュータ BX-320シリーズ | エッジとクラウドを効率的に活用するIoTインテリジェントデバイス |
ディジ インターナショナル | ConnectCore 6UL スターターキット | ラズパイ互換のHATとGroveコネクタ搭載、量産、工業温度、無線認証対応IoTキット |
ディジ インターナショナル | ConnectCore 6SBC | 認証済みWi-FiとBluetooth内蔵、1.2GHzクアッドコア搭載i.MX6シングルボードコンピュータ |
ネクスコム・ジャパン | NISE50 | ファクトリーオートメーションやスマートシティ向けのIoTゲートウェイに最適なパフォーマンスを提供 |
日立ケーイーシステムズ | 業務用タブレット TS1 | 堅牢・長期供給の業務用タブレット。生産設備の稼働監視や設備制御など、工場のIoT化に最適な端末 |
日立製作所 | HF-W100E/IoT | Windows PCにリアルタイム制御機能を搭載、産業機械や生産ラインのIoT化に最適なコントローラ |
ぷらっとホーム | OpenBlocks IoT VX1 | 優れたハードウェア性能とIoTに必要である多様な機能を含むファームウェア「IoT Gateway Firmware 2.0」搭載 |
表 「第6回 IoT/M2M展」で展示予定の「Microsoft Azure Certified for IoT」を取得したIoTデバイス |
IoT/M2M展に来場予定の方は、マイクロソフトブースで、IoTに関する最新の動向を確認しておくことをお勧めしたい。
ESEC2017&IoT/M2M展 マイクロソフトブース
出展ホール/ブースNo:西3・4ホール/西13-77
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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2017年5月25日