欧州で実施中の排ガス路上走行テスト、日本版は2017年春にも最終案:エコカー技術(1/3 ページ)
国土交通省と環境省は、自動車の排気ガスを測定する路上走行テストの方法案を取りまとめた。日本で実施する路上走行テストは、欧州のRDE(Real Driving Emission)規制を基に、日本独自の条件に変更する。路上走行テストの実施条件、テストの測定対象などについては2017年4月をめどに最終とりまとめを行う。
国土交通省と環境省は2017年2月1日、自動車の排気ガスを測定する路上走行テストの方法案を取りまとめた。
両省は、Volkswagen(VW)が排気ガスを測定する台上試験でのみ窒素酸化物(NOx)を基準値以下に下げる不正なソフトウェアを搭載していた問題を受けて、国内で実施する排出ガス測定試験の手法の見直しを進めてきた。今後は、台上試験の測定値が実走行環境でも発揮されるか確認するため、路上走行テストを行い、それぞれの測定値が乖離しないよう求める。
日本で実施する路上走行テストは、欧州のRDE(Real Driving Emission)規制を基に、日本独自の条件に変更する。路上走行テストの実施条件、テストの測定対象などについては2017年4月をめどに最終とりまとめを行う。
これまで、日本で行われてきた台上試験の走行パターンはJC08モードに沿っていたが、2018年10月からは乗用車の排出ガス/燃費試験の国際基準「WLTP(World Harmonized Light Duty Test Procedure)」に移行する。WLTPでは、より実走行に近い走行パターンとするため、JC08モードと比較して平均車速が上昇、より高い速度域をカバーする形になる。走行時間や総走行距離も増加する。
RDE試験とは?
欧州では、2016年から新型車を対象に、路上走行テストによる排気ガスの測定と結果の提出を義務付けている。実走行と台上試験の乖離をなくしていくため、2017年9月からは路上走行テストでのNOx測定値が台上試験の基準値の2.1倍に適合するよう求め、2020年1月からは同1.5倍に抑えるよう厳格化する。
欧州RDE試験は、以下の場所を最低16kmずつ走行して実施する。
- 市街地:時速60km以下で走行する場所
- 郊外:時速60〜90kmで走行する場所
- 高速道路:時速90〜115kmで走行する場所
市街地の走行は平均時速15〜40km、走行時間の6〜30%は停止時間としなければならない。高速道路では時速100km以上で5分間走行し、原則として走行速度は時速145kmを超えてはならない。
走行時間は90〜120分だ。走行ルートの比率は市街地が29〜44%、郊外と高速道路がそれぞれ33±10%となるのが条件だ。高度700m以下からスタートし、スタートとゴールの高度差は100m以内、登り坂は走行距離100kmあたり1200m未満となる。気温は3〜30℃と定められている。
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