3Dセンサーに向かって歩くだけの歩行姿勢測定システム:医療機器ニュース
アシックスは、NECソリューションイノベータと共同開発した「NEC 歩行姿勢測定システム」を発表した。3Dセンサーに向かって歩くだけで歩行姿勢に関する36項目を測定・数値化し、評価するシステムだ。
アシックスは2017年1月25日、NECソリューションイノベータと共同開発した「NEC 歩行姿勢測定システム」を発表した。3Dセンサーに向かって歩くだけで、歩行姿勢に関する36項目を測定・数値化し、評価するシステムだ。価格は、1ライセンス当たり年間15万円、無期限で40万円(いずれも税別)。Windows PCやKinect v2センサーなどのハードウェアは別途必要となる。今後2年間で730ライセンスの導入を目指す。
同システムは、最先端の3D解析技術を採用し、設置された3Dセンサーに向かって約6m歩くだけで全身の関節角度を計測できる。体にマーカーなどを装着する必要がないため、歩行者への負担がない。また、機材の設置から測定、評価までを1人の測定員で行える。
測定項目は、「歩行速度」「歩幅」「胸腰部の上下動」「足の上がり角度」などの36項目。この36項目を「歩く速さ」「ふらつき」「左右差」「身体の軸」「腕振り」「足の運び」の6つに分類し、歩行者の年齢と性別に応じた基準から5段階で評価する。さらにこれらの結果から、年齢に応じた基準で「速度年齢」「バランス年齢」「姿勢年齢」と、それらを総合した「歩行年齢」を表示する。これらの数値は、アシックス独自の歩行姿勢評価アルゴリズムを用いて算出している。
歩行者を登録し、測定結果を蓄積することも可能だ。過去の測定結果や年齢/性別ごとの平均値と比較することで、体の変化やトレーニングの効果などを確認でき、改善すべきポイントが明確になる。
高齢化が進む日本では、平均寿命と健康寿命に約10年の差があると言われ、高齢になっても自立して移動できる体づくりが重要視されている。同社では、生活行動範囲に関わる「歩行」に着目し、同システムを開発した。
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