IoTが当たり前の時代、学生のアイデアと実装力はどこまで通じるか:第7回 Device2Cloudコンテスト決勝大会レポート(1/2 ページ)
デバイスとクラウドを活用したシステムの企画からプレゼン、開発までを競う学生競技会「Device2Cloudコンテスト」。第7回はIoT(モノのインターネット)が当たり前になる中で開催された。上位チームのプレゼン内容を中心に決勝大会の模様をレポートする。
デバイスとクラウドを活用したシステムの企画からプレゼン、開発までを競う学生競技会「第7回 Device2Cloudコンテスト」の決勝大会が2016年12月10日に開催された。本稿では、上位チームのプレゼン内容を中心に決勝大会の模様をお伝えする。
2016年はIoT(モノのインターネット)が当たり前になった年といえるだろう。IoTや人工知能などは一般のメディアにも登場しない日がないくらいになっている。
Device2Cloudコンテストは、今回で7回目の開催となる、クラウド前提の組み込みシステムでは古参のイベントである。学生がクラウドとセンサーを使う組み込みシステムを企画、開発、プレゼンするコンテストだ。
今回からクラウドは「Azure IoT Hub」に限定した制約条件となった。
IoTが当たり前になった時代に、どのようなシステムが学生から企画、開発、提案されるか楽しみである。
7回目となる決勝大会は、コンテストの略称と同じ株式会社D2Cのホール(東京都中央区)で開催された。
多くの学生が注目する中で32チームが参加し、ビデオ審査の結果、8チームが決勝大会の選抜チームに選ばれた。
各チームは5分間のプレゼンテーションを行い、3〜5分の質疑応答が行う。プレゼンテーションにて実機を実際に動かして見せるなどして、審査員にアピールした。
シャンプーなどの残量をモニターし買い物を促すシステム
準優勝となったのは、日本電子専門学校の「JEC学ラボー」による、「働くママの“ちょっと”をお手伝いする『joybit』」である。
浴室のシャンプーやリンスなどを置く台にセンサーが仕込まれており、それぞれの残量がモニターできるような装置である。シャンプーの買い忘れを防ぎ、近所のスーパーを案内してくれるようなスマホアプリとの連携ができる。
この作品は今回のコンテストで最もデザインがいいシステムであり、完成度の高さを感じさせた。チームメンバーとして、電子応用工学科の学生だけでなく、Webデザイン科とグラフィックデザイン科の学生も参加していたことにより実現できたのであろう。モノづくりとデザインを両立し、ユーザーが喜んで使ってくれるシステムを提供しようとしていることが伝わってくる。
ビジネスモデルに関しては、審査員からの提案があったが、シャンプーを売る企業や液体の調味料や食品を提供する企業から提供するモデルなどが有力かもしれない。最近国内でも提供され始めた「Amazonダッシュボタン」は、ユーザーがアクションする必要があるが、joybitは自動で発注してくれるような体験を提供できる。
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