工場内の“動き”を売るベンチャー、米企業と提携し相互で製品展開へ:FAニュース(1/2 ページ)
FA技術を展開するテクノダイナミックスは、米国の製造装置系技術を展開するDESTACOと技術提携した。テクノダイナミックスの技術をDESTACO製品に織り込むとともに、DESTACO製品の国内での取り扱いを行う。
高精度搬送装置や動作制御システムの開発を行っているテクノダイナミックスは2017年1月12日、米国DESTACOとの技術提携し同社の技術をDESTACO製品に導入する他、同社が日本においてDESTACO製品の取り扱いを開始することを発表した。
テクノダイナミックスは2011年5月に設立したモノづくりベンチャー企業である。ファクトリーオートメーション(FA)技術を中心に工場の自動化を実現する技術をパッケージとして提供しており、特に半導体製造装置メーカーや製薬・医薬品メーカーには多くの顧客企業を抱えている。同社の強みが「モーションサイエンス技術」である。モノの動きを数学的に求め制御することを実現する技術である。これをコアとし同技術を実際に反映する手段として、機構設計技術やサーボシステム構築技術などを展開している。
テクノダイナミックス代表取締役社長の加藤寿尚氏は「当社は製造におけるモーション制御のノウハウを中心としたファブレス企業だ。『動き』だけを切り出して売っている企業だといえる。形のないノウハウを守り、伸ばすために、経営方針としては『頭脳資産経営』を掲げている。現状では、約5億円の売上高のうち、半導体製造装置関連メーカーが約3割、製薬・医薬品関連メーカーが約2割を占めている」と述べている。
DESTACOとの提携で売上高拡大へ
今回提携を行うDESTACOは、1915年に創業し100年以上の歴史を持つ生産財関連企業である。特に強いのがワークを固定するクランプ関連装置で、その他精密搬送装置などを10カ国で展開している。
今回の提携の内容は主に2点となっている。1つ目が、テクノダイナミックスの持つモーション制御のノウハウをDESTACOの新製品開発に生かす技術提携である。2つ目が日本市場におけるDESTACO製品の販売や技術サービスをテクノダイナミックスが行うということである。
加藤氏は「位置決めや搬送などで共通の技術や顧客を抱えており、同じ価値や目標があるという点がある。さらにDESTACOは「動きを止める」という技術に強みがあり、「高精度に動かす」技術が得意な当社と、カバー領域としても重複しておらず複合的に提案することで工場内の動きを網羅的に提供できるようになる」と提携の価値について訴えている。
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