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競技に色認識を導入、新型ロボットでゲームに挑め!〜ETロボコン2016チャンピオンシップ大会〜ETロボコン2016(2/5 ページ)

2016年のETロボコンは、デベロッパー部門のアドバンストクラスが、競技課題、採点方法、走行体の全てを一新。カラーセンサーによる色認識で、ゲーム課題をクリアしなければならなくなった。このアドバンストクラスを中心に、各チームの奮戦を、動画とともに紹介する。

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ゲーム課題をクリアしたチームは?

 ETロボコンの見どころは、各チームがどんなアイデアで、時間を短縮してくるかというところだろう。普通に思い付く方法では、どれだけ制御を最適化したところで、数秒程度の短縮にしかならない。しかしアイデア次第では、10秒単位の短縮も期待できる。

 例えば、Lコースのゲームでは、新幹線の通過を待って土俵に進入し、ライントレースをしつつ、1個1個ブロックを落とし、出口で再び新幹線の通過を待って、土俵を降りるという手順が基本となる。実際、多くのチームがこの手順だった。

「ET相撲Neo」では、同部屋以外の色のブロックを押し出せばポイント
「ET相撲Neo」では、同部屋以外の色のブロックを押し出せばポイント(クリックで拡大)

 しかし何チームかは、2個のブロックの中間点に移動し、走行体を左右に旋回させることで、2個を一気に尻尾で押し出していた。これだと移動の時間がかなり短縮できる。しかもユニークだったのは、そのまま土俵の横から降りて、コースを大胆にショートカットするチームがあったこと。

 こうした方法は、ラインをトレースできないため、位置を見失うリスクもある。そのあたりが工夫のしどころだろうが、「DSPシステム部」(九州工業大学情報工学部)はこの方法で、48.2秒という圧倒的な最短タイムでゲームをクリアしていた。

DSPシステム部はタイムの短縮を徹底。Lコース全体のポイントは2位だった(クリックで再生)

 それとLコースで面白かったのは、最後の懸賞を持って行く方法だ。アームで懸賞を持ち上げ、ゴールまで運べばボーナスになるのだが、問題は、カラーセンサーがアームと一体化しているため、アームを上げるとライントレースができなくなってしまうこと。最後のストレートは長く、ライントレースしないとコースアウトする恐れがある。

懸賞を持ち上げた状態。カラーセンサーが前を向き、ラインを見られない
懸賞を持ち上げた状態。カラーセンサーが前を向き、ラインを見られない(クリックで拡大)
懸賞を持ち上げて走行したときに、実際にコースアウトしたチームもあった(クリックで再生)

 このリスクを回避するために、懸賞をアームで横に倒してから、尻尾で引っかけて運ぶという方法を採用していたのが「YoungMasters」(SCSK 車載システム事業本部)と「selab」(茨城大学工学部情報工学科)の2チーム。時間的には少し余計にかかるものの、ゴールまでライントレースできるため、より確実である。

YoungMastersは58.8秒でゲームをクリア。最後は尻尾で懸賞を引っかけてゴール(クリックで再生)
こちらはselabチーム。ゲームを手堅くクリアし、ゴール後に喜びの舞も披露(クリックで再生)

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