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IoTの鍵を握るのは「人工知能チップ」「中国」「電子部品メーカー」製造業IoT(1/2 ページ)

「第1回IHSテクノロジーフォーラム2016」の基調講演に登壇したIHSマークイットの南川明氏は、IoTの鍵を握る要素として「人工知能チップ」「中国」「電子部品メーカー」などを挙げた。

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IHSマークイットの南川明氏
IHSマークイットの南川明氏

 調査会社のIHSマークイットは2016年11月29日、東京都内で「第1回IHSテクノロジーフォーラム2016」を開催。同社 日本調査部ディレクター 主席アナリストの南川明氏が、「動き出したIoTの実例とエレクトロニクス産業への影響、カギは人工知能(AI)」と題した基調講演を行った。

 同氏は講演の冒頭で「今後IoT(モノのインターネット)と人工知能を活用していく上で、人工知能チップが求められるようになる」と説明。IBMが開発を進めている「TrueNorth」をはじめ、半導体メーカーだけでなく大手IT企業などが人工知能の計算処理に特化した半導体チップの開発に注力している事実を指摘した。「IoTの普及で最大のネックになるのは消費電力だ。クラウドだけではなく、エッジ側でもさまざまな処理を行う必要があるが、現行アーキテクチャの半導体チップを使うとかなりの消費電力になる」(同氏)という。

 またIoT時代のキープレーヤーとして、先行しているとされる米国や欧州に加えて、中国を挙げた。南川氏は「この5年で人件費が倍増した中国は、このままだと製造業が人件費の安い海外に流出してしまう。このリスクをIoTの活用によって止めようと、国を挙げて投資を進めている」と語る。

世界の工場となった中国だが、今後は人件費の倍増によって流出のリスクを抱えている
世界の工場となった中国だが、今後は人件費の倍増によって流出のリスクを抱えている(クリックで拡大) 出典:IHSマークイット

 現在、投資が集中しているのが、メモリ、プロセッサ、通信チップといった半導体分野だ。「中国の輸入品目のうち、2位が石油で、1位は半導体だ。現在国策として重視している軍需にとって重要な半導体を、自国で何とかしたいという要望が強い。もちろんIoT活用でも半導体は重要な役割を果たす」(南川氏)とみている。

 中国はこれまでも半導体産業の育成に大規模な投資を行ってきたが、まだ大きな成果は得られていない。清華紫光グループがM&Aに強い意欲を見せているが、米国政府の意向も働き失敗が続いている。中国製スーパーコンピュータへのIntel製MPUの出荷禁止や、米国商務省によるZTEへのIC輸出禁止検討といった事例もあるほどで、米国は中国による半導体関連へのリソース投入に注目している。南川氏は「当初中国では、2020年までにグローバルサプライチェーンに食い込む半導体のプレーヤーを育てる目標だった。これは難しいが、今の投資を続けていけば2025年には達成できる可能性はある」と強調する。

中国がこれまで進めてきた半導体戦略
中国がこれまで進めてきた半導体戦略(クリックで拡大) 出典:IHSマークイット

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