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TNGAのエンジンとトランスミッションは2017年から搭載、燃費は従来比20%改善エコカー技術(3/3 ページ)

トヨタ自動車は、“もっといいクルマづくり”のための構造改革「Toyota New Global Architecture」に基づいて、エンジン/トランスミッション/ハイブリッドシステムを刷新する。TNGAパワートレインは2017年発売の新型車に搭載する。2021年までにエンジンで9機種、トランスミッションで4機種、ハイブリッドシステムで6機種を投入する計画だ。

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2021年までに6割のモデルがTNGAパワートレイン採用

 2021年までにTNGAパワートレインは一気に増やす。前輪駆動か後輪駆動か、乗用か商用か、トルクの差などの搭載モデルの違いを含めて、エンジンは17種類、トランスミッションはATやCVT、MTなど10種類、ハイブリッドシステムは10種類に拡大する。同年までに、トヨタ自動車が日米欧中で販売する台数の60%以上でこうしたTNGAパワートレインを採用する計画だ。

 また、投入時期は未定としているが、TNGAでディーゼルエンジンも開発する方針だ。

 2021年までに展開するパワートレインのうち、会見では幾つか具体例を紹介した。後輪駆動のプレミアムモデル向けには、「マルチステージTHS II」や10速ATを展開する。

後輪駆動車向けの10速AT
後輪駆動車向けの10速AT(クリックして拡大)

 10速ATは、2017年発売の新型車でTNGAエンジンと組み合わせる8速ATと基本性能は共通で、世界トップレベルの伝達効率を達成したとしている。ギアがかみ合う時のエネルギー伝達ロスを低減し、クラッチは機構内の摩擦材形状を最適化して回転時のクラッチの損失トルクを従来型の6速AT比で半減している。構成要素数は従来の8速ATや競合他社の9速ATと同等とし、従来の8速ATと同等の体格を実現した。低中速域を中心に各段の使用領域を最適化するクロスギアを採用、クイックでリズミカルな気持ちのよい変速を追求した。

マルチステージTHS IIは4速ATとCVTによってシステムの伝達効率を高速走行でも維持する
マルチステージTHS IIは4速ATとCVTによってシステムの伝達効率を高速走行でも維持する(クリックして拡大)

 マルチステージTHS IIは、V型6気筒の排気量3.5lのエンジンで、V型8気筒/排気量5.0lのエンジンを超える高い発進加速性能を発揮する。また、レスポンスのよいダイレクトな加速も特徴としている。低速域と高速域の両方に対応する2段変速式リダクション機構やプラネタリーギヤを用いた動力分割機構はそのままに、システム後端に4速ATを付加することにより、高速走行でも伝達効率を維持する。変速機としてCVTも使用している。

 TNGAでは、パワートレインの基本性能の引き上げだけでなく生産効率を高めることも前提に設計する。加工や組み付けの基準を、部品の機種を超えて統一することにより、加工治具を共通化、1つの生産ラインで異なる機種でも生産できるようにする。また、この工程や設備の仕様はグローバルで統一し、TNGAパワートレイン搭載車を各市場に投入する体制を整える。

 構造など基準を統一するため、先述したTNGAエンジンのシリンダー設計のようにモジュール設計とすることにより、開発効率も高める。TNGAでは、エンジンの種類を40%削減する計画だ。従来の生産ラインは、膨大な種類のパワートレインの生産を前提に重厚長大な生産ラインとなっていたが、これをコンパクト化していく。

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