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サービスのグローバルマザー工場へ、生産撤退後に生きた日本の現場力メイドインジャパンの現場力(6)(3/4 ページ)

2002年にパーソナルコンピュータの開発生産事業から撤退し、NEC製のPCやマザーボードの保守サービスサポート事業に転換したNECパーソナルコンピュータ群馬事業所。同事業所はNECおよびLenovo製品のサポートサービスの戦略拠点として存在感を高め、グローバルマザー工場としての役割を担おうとしている。

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コスト改善に大きく貢献したMB修理

 群馬事業所の修理事業が高い収益性を実現する転機の1つとなったのが、MB修理の内製化である。コンシューマー、コマーシャル(一部)向けNEC製PCの保守用MBの修理は工場棟2Fのスペースで実施しているが、このフロアでは他にコンシューマー向け保守用HDD(ハードディスクドライブ)、LCD(液晶ディスプレイ)、ODD(光学ドライブ)の診断も行っている。

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マザーボードの修理フロア(クリックで拡大)

 内製化以前のMBの修理は、全ての開発生産を委託している海外のODM(Original Design Manufacturing)が行っていた。ODMベンダーは海外企業がほとんどであったので、リードタイムが長く、回転用資産が多く必要となる他、修理費用も高くなった。さらに修理マップが多くて管理が困難となり、品質やデリバリーが悪化するなどマイナスの影響が大きく出ていた。さらにODMベンダーが修理を中止するような場合もあった。

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内製化前のマザーボードの修理体制と問題点(クリックで拡大)出典:NECパーソナルコンピュータ

 その対策としてNECPCでは、ODMの都合で修理をやめても困らない、同社主体の国内修理体制の構築に取り組んだ。具体的には、QCD(品質、コスト、納品)の改善を積極的に推進し、開発や生産部門が修理体制の制限を受けないで競争力のある開発・生産マップを決めることができる姿を目指した。そのため2010年上期までに有償分の修理についての内製化を実現。2011年上期からは無償分の内製化も開始し、品質改善を加速させている。

 具体的な改善活動としては、故障解析、部品交換などの修理技術向上を始め、1階フロアのPC修理のオンコールで共同調査を行い、より確実なMBの修理を実現した。また、同一部品故障のアラーム基準を開発部門と整合し、アラーム基準を超えるものは対策を実施してCS向上につなげた。日々の修理結果を通して在庫品質不安のあるものは在庫品の見直しを行い、在庫品質を確保している。さらに、波形観測を通じて劣化部品の予防交換を実施して修理品質を保っている。

 こうした内製化での積極的な取り組みにより「内製化以前と比べて品質は70%改善し、修理リードタイムは4分の1に短縮、リペア比は80%低減、棚卸も4分の1 に削減することができた」(群馬事業所)という効果が生まれている。今後は2017年にはLenovo製品のMBの修理を取り込む予定で、さらなるCS向上を目指している。

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マザーボード修理の内製化の成果(クリックで拡大)出典:NECパーソナルコンピュータ

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