1日2時間以上残業する人の4人に1人が「精神面で不調を感じる」:キャリアニュース
日本能率協会が「ビジネスパーソン1000人調査 仕事と健康編」の結果を発表。健康で働くためには職場の人間関係や食事、趣味の充実が大事と考えていることがわかった。また、1日の平均残業時間が2時間以上の人の25%が精神面で不調を感じていた。
日本能率協会は2016年10月12日、「ビジネスパーソン1000人調査 仕事と健康編」の結果を発表した。同調査は日本能率協会総合研究所「JMARリサーチモニター」のうち、20歳から69歳までの全国のビジネス・パーソン1000人を対象とした。
「健康で働くために効果があると思うこと」を尋ねたところ、「職場の人間関係を良好に保つ」が全体の38.9%で、最多となった。この回答は男女別では男性が34.9%、女性が43.9%と女性の方が9ポイント上回っている。なお、2位は同率で「健康的な食事を選ぶ」「趣味を充実させる」(29.6%)だった。
また、1日当たりの平均残業時間が3時間以上の人は「残業を減らす」(31.3%)が最も多かった。
平均残業時間2時間以上の人、25%が「精神面で不調を感じる」
続いて、日常的に残業をしている514人を対象に「残業による私生活への影響」を尋ねた。その結果、1位「趣味の時間が減った」(28.4%)、2位「睡眠不足になった」(25.1%)、3位「食生活が乱れた」(22.2%)となった。健康で働くために効果があるとして上位に挙がった「趣味」や「食事」を犠牲にして残業していることがうかがえる。また、全体としては身体面の不調(21.4%)が精神面の不調(18.9%)を上回っているが、1日当たりの平均残業時間が2時間以上の人は、4人に1人が「精神面で不調を感じる」と回答し、身体面での不調を上回っている。
「残業をする理由」は、「自身の日常業務が終わらないから」(45.7%)がトップ。次いで「突発的なことに対応する必要があるから」(27.6%)、「残業手当(時間外給与)が欲しいから」(15.8%)となった。1日当たりの平均残業時間が3時間以上の人を見ると「職場が残業をする雰囲気だから」(27.1%)が2位となっており、職場風土が残業に影響しているようだ。
続いて「残業を減らすために職場に求めること」を尋ねたところ、全体の1位は「必要ない業務をやめること」(29.8%)となった。僅差で「残業をしない職場の雰囲気づくり」(28.6%)が2位となっている。1日当たりの平均残業時間が3時間以上の人は「職場の人員を増やすこと」(33.3%)が最も多かった。
「残業を減らすために自身で工夫していること」については、「優先順位の高いものから取り組む」(28.0%)がトップとなっている。1日当たりの平均残業時間が3時間以上の人を見ると、「任せられる仕事は他人に任せる」(20.8%)が最多となった。一方で「工夫していることはない」という回答が41.7%を占めており、残業を減らす工夫に積極的ではないことが明らかになった。
長時間残業は、業務量の問題や職場の雰囲気が背景にあることがうかがえる。長時間残業を削減するには、職場ぐるみでの取り組みやリーダーが率先して働きかけることが必要と言えそうだ。
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