工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」:スマートファクトリー(2/3 ページ)
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。
「マシンツール4.0」とは?
「マシンツール4.0」は、シェフラーとDMG森精機が共同で、工作機械のデジタル化とスマート化に取り組むプロジェクトである。DMG森精機の工作機械に、シェフラーが全部で60個のセンサーを設置。これにより工作機械の稼働データを詳細に取得し、従来ではできなかった稼働監視や予兆保全、品質向上などを実現できる。
同試験機は2015年10月に既にシェフラーのロータリーテーブルベアリングの生産ラインに導入。現在、取得したデータを基にさまざまな検証を行っているところだという。
DMG森精機 奈良第一工場の製造・開発本部 C開発部の部長 佐藤則夫氏は「60個のセンサーがあれば、工作機器のあらゆる情報を読み解くことができる。DMG森精機の工作機械は、『CELOS』としているオペレーティングシステムを採用している※)。CELOSは操作パネルのように見えるかデータを共有する基盤およびインタフェースの役割も果たすことが可能で、このデータ基盤を組み合わせて、最適な工作機械のデータ活用の仕組みや価値の向上に取り組んでいく。実際には60カ所のセンサーから生まれるデータ全てを活用しているわけではなく、製品化に向けては用途や必要性に応じて、これらのセンサーやデータ基盤を絞り込む形でリリースする」と述べている。
※)関連記事:工作機械にタッチパネル操作を! CELOSで操作性と生産性を高めるDMG森精機
「マシンツール4.0」における実証を通じ「まずは2016年末に検証結果をまとめて、今後どういう形の製品に仕上げていくか、どういう関連サービスを展開していくのかということを決めていく。まずは予防保全はターゲットとしている」と佐藤氏は述べる。
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