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物流へのIoT適用を考えるトヨタ生産方式で考えるIoT活用(6)(4/7 ページ)

日本型モノづくりの象徴ともいうべき「トヨタ生産方式」。本連載では多くの製造業が取り入れるトヨタ生産方式の利点を生かしつつ、IoTを活用してモノづくりを強化するポイントについて解説していきます。第6回は、グローバル化の進展によって重要度を増している物流でIoTを活用する考え方について説明します。

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物流のあるべき姿

 グローバルでの物流を行う場合、次のサイクルを回すことが重要となります。

1.月次生産計画時点での各拠点間の受給調整の仕組みの確立→各国の需要をコントロール拠点がまとめて生産拠点の生産計画を調整する

 複数の国に物を供給する際、顧客からのQCDの要求をクリアできる生産拠点や仕入先が限定される場合は、各国の組立拠点の近くで生産が可能な場合を除いて、複数の国からの部品の必要数を集約して生産拠点の生産計画を調整する必要があります。

 グローバルで物を供給する場合は組立拠点の近くの物流倉庫だけでなく、船や鉄道で輸送途中にも物が動いております。輸送ロットサイズも大きいため、その在庫も加味しないと効率的な調達、生産、物流が行えません。物は倉庫(物流倉庫のように動かない場所)だけでなく走庫(船や鉄道の輸送途中の場所)にあることも考慮することが重要です。

2.生産拠点、仕入先の生産方式、調達方式の立案

 1.の延長で、生産拠点で生産する場合や部品を仕入先に手配する場合には実力に合わせた生産方式、調達方式を採用することが重要となります。

 仕入先については短いリードタイムで納入できない場合は、指示発注(納期を指定して発注する方式)から始めます。仕入先の実力が高く、短いリードタイムで納入できるようになれば、かんばん発注(工場で生産する際に部品の引取りかんばんが外れて発注する方式)に切り替えます。1つ1つ個別に仕様が異なる、設置スペースが多く取られる、高額である物については、必要に応じ順序引取り方式(自社の生産ラインの生産順序と同期した発注を行う方式)を採用します。

 指示発注→かんばん発注→順序引取り方式の順で自社、仕入先、物流過程の在庫は減っていきます。

 生産拠点も同じ理屈で、計画生産→かんばん生産→順序生産方式を選択します。

 実力が低い仕入先、生産拠点とは、安定した生産ができずリードタイムやサイクルタイムが長く、設備停止が多く、不良率が高い。いわゆるムダが多く、改善余地が多い現場となります。

 実力が高い仕入先、生産拠点とは、短いサイクルタイムで安定した生産ができ、設備停止がほとんどなく、不良率もかなり低い。ムダがほとんどなく、お手本となる現場となります。

 生産拠点や仕入先の実力を見極めないで、生産方式、調達方式を一律で決めているケースをよくお聞きします。物流効率を考えた場合に、実力に合わせた方式を採用しないと過剰在庫と欠品対応のフォローに追われ、不安定な生産により品質問題に発展していくことになりかねません。

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