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ハードウェアスタートアップに必要なのは「リスク屋」!?zenmono通信(2/6 ページ)

モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回はOmotenasy CEO 今村泰彦氏、同社CCO 西村拓紀氏が登場する。

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モノをもってコトを成す


今村さん

enmono 今村さん、すごく禅が好きじゃないですか?

今村 はい、好きですね。禅も鎌倉でやらせていただいて。

enmono ああ、そこから禅を通じて今を生きる、1つ1つの食事を味わうというスタンスが。

今村 それはすごく影響を受けましたね。「いただきます」の意味とか。禅寺でハッカソンをやる「ZenHack」というイベントをやらせていただいているんですけど、それの前回のテーマも「食」だったんですね。精進料理を作ってらっしゃる和尚さんのお話を聞くことができたんですが、言われていることはとてもシンプルで「皆さん、『いただきます』の意味をご存じですか? それは『あなたの命をいただきます』という意味なんです。

今村 誰かを殺生をして、その命をいただいているわけです。だから飽食をしてはいけない。なぜかというとエネルギーを取りすぎるし、やっぱり人の命を必要以上にいただいてはいけないということなんですね。食べるという行為に対しては必ず感謝が伴わないといけない。さらに感謝にはどういうことが伴うかというと作務――働くこと、workですね――あなたが誰かに価値を提供したから命をいただけるという、この循環がないと必ずどこかに膿がたまったりエネルギーがたまりすぎたりしてしまう。

enmono 非常にマインドフルなコンセプトの会社なんですね。

今村 それを一言で言うと、「コトづくり」をする会社ですということになります。「モノ」は作らない。おもてなしというのは裏表のない心で接待するという意味があるんですけど、もう1つの意味に「モノをもってコトを成す」というのがあるんです。これはお茶の用語です。茶器を持って、客人のもてなしをする。重要なのはコトの部分でして、モノづくりを通してコトを作るということをやりたいなと。それは先ほど言った製造業に対する問題意識ですね。便利ということがコトであっていいのか? と。それよりも価値というのは違う形であり得るんじゃないか。

enmono モノだけあっても、もう意味がなくて。

今村 そうですね。逆に言うとモノは少なくていいと思います。今作っているいろいろなモノに対して、「これは本当に存在価値があるか」を問い直していきたい。例えばですが、ここにあるもので言うと「このイスとか要りますか? 立ってりゃよくないですか?」とか。

今村 あとは例でよく言うのが「冷蔵庫って本当に要るんですか? 24時間以内で食物が届くんであれば、新鮮な状態で、しかも溜めておかずに廃棄せずに済むのであればデリバリーしてすぐ消化する。それも地産地消。近いところから取って、出荷や倉庫やトランスポートの費用全てなくなるんだ。だったら四里四方――自分の身のまわりの環境で育った食物を食べればその人が一番健康に育つ――これも禅の考え方にあるんですけど、四里四方で地産地消をやっていけば冷蔵庫って本当に要るのか? というようなことを問い直していく。無用なモノは作らない。

enmono そのコンセプト自体にすごく価値があると思いますね。

今村 「モノを作る」ことをやらない。「量産」「ディストリビューション」「製品」とか大手のメーカーが持っている機能はできればやらない。やらないとはどういうことかというと、その人たちと一緒にやるということです。その人たちが持っていない機能を僕らが提供して、その人たちが持っている「製品のクオリティを大量生産で出す」とか「世界に持っていってそれを売り切る」とか。ただし、そういうところと組む上でその人たちに与えたい影響としては例えば「四半期で予算に困ってもう一台冷蔵庫を作らないように」とか「機能が同じものを品番変えて出さない」とか。

enmono 新しい価値をメーカーさんに提供して一緒にモノを作る、価値を作るということですね。

今村 価値を作る。そうですね。

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