大型航空機艤装メーカーがJTファイルに対応したPLMシステムを採用:製造IT導入事例
シーメンスPLMソフトウェアは、同社のPLMをJet Aviationバーゼル支社が採用すると発表した。現システムの刷新にあたり、JTファイルでの保存や3Dプロセスが全認証要件をクリアすることなどの要求を満たすシステムとして採用が決定した。
シーメンスPLMソフトウェアは2016年7月13日、同社の製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェアを、Jet Aviationバーゼル支社が採用すると発表した。
Jet Aviationバーゼル支社は、1600人以上の専門家を擁する、世界でも屈指の整備センター兼完成工場だ。エアバス、ボーイングなどの大型航空機の艤装や完成プロセスを手掛けており、ビジネスジェットの保守・修理サービスも提供している。
Jet Aviationバーゼル支社では、オープン性と拡張性を確保するため、現PLMシステムに替わるものを検討していた。採用にあたっては、下流プロセスに対応するため、データをJTファイルとして保存すること、2D図面を一掃すること、3Dプロセスは認証要件を全てクリアすることなどの要求を満たすシステムを求めていた。
その結果、シーメンスの統合CAD/PDM/PLMソフトウェアである「NX」と製品ライフサイクル管理システム「Teamcenter」ポートフォリオの採用を決定した。
この2つのシステムはISO規格のJTファイルフォーマットに対応しているため、ドキュメント作成プロセスの効率化を図ることができる。また、航空業界では必須の、LOTAR(Long-term Archiving and Retrieval)基準への準拠が可能になる。
これらのシステムは、2016年9月より段階的に導入される予定だ。
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