検索
連載

アマゾンと電化製品の連携にみる、IoT時代のサービスの在り方IoTと製造業の深イイ関係(1)(2/4 ページ)

脚光を浴びるIoT(モノのインターネット)だが、製造業にとってIoT活用の方向性が見いだしきれたとはいえない状況だ。本連載では、世界の先進的な事例などから「IoTと製造業の深イイ関係」を模索していく。第1回は、Eコマースの雄であるAmazon(アマゾン)の取り組みを見て行こう。

Share
Tweet
LINE
Hatena

「外見は同じだけどプログラマブル」:AWS IoT Button

「AWS IoT Button」の外観は「Amazon Dash Button」とほぼ同じ
「AWS IoT Button」の外観は「Amazon Dash Button」とほぼ同じ 出典:AWS

 さらに2016年5月、アマゾンのクラウドサービスである「Amazon Web Services(AWS)」のユーザー向けとして、新たに「AWS IoT Button」の正式提供が開始された。AWS IoT ButtonはDash Buttonと同一形状ではあるが、大きく違うのはユーザー自身がプログラミングできる点だ。ひも付けられる情報は、Dash Buttonで提供されていない商品の購買を実現させるだけにとどまらない。

 AWS IoT Buttonは、Wi-Fiを通じて通信を行うため、Wi-Fi対応機器であれば連携できる。AWS IoT Buttonを利用してできる主な動作は「呼び出し」「アラート」「開始/停止」「オーダー」「トラッキング」などがある他、自社システムやアプリケーションとの連携も図れる。つまり、ユーザーが自由にプログラミングできるので、アイデア次第で何にでも利用可能なのだ。

「AWS IoT Button」のプログラミングのイメージ
「AWS IoT Button」のプログラミングのイメージ(クリックで拡大) 出典:AWS

 例えば、テレビなどをつけるスイッチとして使うこともできれば、病院などにあるタクシー配車専用電話の代替としても利用できる。また、高齢者とその家族が離れた場所で暮らしている場合に、ボタンを押すだけで提携文を高齢者のスマートフォンアプリに送り、安否確認に活用するといったことも可能となる。

 このようなボタンを展開していたのはアマゾンだけではない。スペインの大手通信事業者であるTelefónica(テレフォニカ)も2015年6月、韓国のSamsung Electronics(サムスン電子)と提携して、IoTボタンを発表している。スマートフォンの普及により、多くのサービスがスマートフォンアプリ上で展開されるようになったが、実は入力などの操作プロセスを煩わしく思っているユーザーも多かった。

 そこで「ワンクリック購入」による購入プロセスの簡素化や、FacebookやTwitterなどの既存SNSアカウントとの連携による新規登録の簡略化など、新たなサービスが出てきた。しかし、今回紹介した“ボタン”は、インターネットの世界だけでなく現実世界でもワンプッシュによる簡略化を実現し得るものといえる。

関連キーワード

IoT | Amazon | 製造業 | Amazon Echo | Amazon Web Services


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る