ニュース
脂肪の「さび」が、がん化を促進させる:医療技術ニュース
九州大学は、体内の脂肪が酸化される際に生じる「脂質ラジカル」と呼ばれる中間体の検出技術を開発し、脂質ラジカルが肝細胞がん発症に重要な役割を担っていることを明らかにした。
九州大学は2016年6月14日、体内の脂肪が酸化される際に生じる「脂質ラジカル」と呼ばれる中間体の検出技術(蛍光プローブ)を開発したと発表した。さらに、この脂質ラジカルが、肝細胞がん発症に重要な役割を担っていることを明らかにした。同大学大学院薬学研究院の山田健一教授らの研究グループによるもので、成果は同月13日に国際科学誌「Nature Chemical Biology」にオンライン掲載された。
近年、体内の脂肪が「さびる」、つまり酸化されることで、さまざまな病気を発症することが明らかになりつつある。脂肪の酸化過程には、「脂質ラジカル」と呼ばれる極めて高い反応性を示す中間体が生成され、連鎖的かつ爆発的にその傷害を拡散・増幅させる。しかし、これらの中間体は、その高い反応性のために検出や解析が困難とされてきた。
今回、研究グループは、脂質ラジカルと選択的に反応することで発光する蛍光プローブの開発に成功した。同プローブは通常はほぼ無蛍光だが、脂質ラジカルと反応すると緑色の光を発する。
関連記事
- 画面を上下にスワイプすることで過去の感情を修正する新現象を発見
九州大学大学院人間環境学府博士後期課程の佐々木恭志郎氏らの研究グループは、画像を見て生じた感情が、直後に画面を上にスワイプすると快くなり、下にスワイプすると不快になるという新現象を発見した。 - 映画1本の復号処理を8秒で実現――KDDIの暗号技術「KCipher-2」が国際標準規格に
KDDIとKDDI研究所は、高速ストリーム暗号アルゴリズム「KCipher-2(ケーサイファー・ツー)」がストリーム暗号の標準規格ISO 18033-4の最終承認を経て、国際標準規格として採用されたことを発表した。KDDI研究所と九州大学が共同設計し、KDDI研究所が開発・商用化した暗号アルゴリズムだ。 - 大空に羽ばたけ――「鳥人間コンテスト」開催
人力飛行機で飛行距離や飛行時間を競う競技会「第33回鳥人間コンテスト選手権大会」が開催された。その概要と競技結果をお伝えする - Answers Anywhereで車載向け音声ポータルを狙う!
モバイル機器向けDBMSで知られるアイエニウェア・ソリューションズ(以下、アイエニウェア)ががぜん、組み込み分野に急接近する。自然言語・対話型UIを実現する「Answers Anywhere」が“音声ポータル”を求める自動車メーカーから支持されはじめたからだ。 - 誰よりも早くまんじゅうを奪え!――NHK大学ロボコン2012
大学生がロボット作りの技術力や戦略を競う「NHK大学ロボコン2012」が開催された。制限時間内に素早くタワーを駆け上ってまんじゅうを奪ったのはどこの大学のロボットか?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.