最新型「サイバーナビ」は車上荒らしからクルマを守る:車載情報機器(1/2 ページ)
パイオニアは、カロッツェリアブランドのカーナビゲーションシステム「サイバーナビ」の新モデルを発表した。専用の車載カメラや同社のサーバと通信するモジュールをサイバーナビと併用する簡易な緊急通報システムといえる機能を搭載。車上荒らしなどの異変や事故発生時にユーザーや家族などに画像付きのメールを送信できるようにした。
パイオニアは2016年5月10日、東京都内で会見を開き、カロッツェリアブランドのカーナビゲーションシステム「サイバーナビ」の新モデルを発表した。専用の車載カメラや同社のサーバと通信するモジュールをサイバーナビと併用する簡易な緊急通報システムといえる機能を搭載。車上荒らしなどの異変や事故発生時にユーザーや家族などに画像付きのメールを送信できるようにした。また、通信モジュールを活用してサーバ上でルート探索を行えるようにするなど、カーナビゲーション機能そのものの改良も図った。
カーナビゲーション本体は2016年6月から、専用の車載カメラは2016年9月に発売する。一部のオプション部品を除いて価格はオープンだ。
クルマの異変がメールで即座に分かる
サイバーナビの新モデルに合わせて、セットで使用する専用車載カメラも新製品に切り替わる。専用のカメラ「マルチドライブアシストユニット」は、ドライブレコーダーとして使用できるだけでなく、画像認識技術の向上により運転支援機能を充実させた。
例えば、前方の車間距離だけでなく前方車両に追い付くまでの時間を推定し、衝突の可能性が高い速度で接近した場合に音と画面表示によって警告する機能を新たに追加した。従来は車間距離の長短を識別するだけで警告機能はなかった。
これ以外にも、前方車両が停止しているにも関わらず自車が発進した場合や、右折時に停止せず先行車両に追従した場合の注意喚起機能も新モデルから搭載した。また、車線逸脱警報は従来モデルでは高速道路でのみ動作していたが、新モデルは一般道にも対応した。
新モデルの本体と専用車載カメラ、通信モジュールを組み合わせて「走行中だけでなく、クルマが止まった後の安全にも貢献する機能」(パイオニア 市販企画部 マルチメディア企画1課の内田有喜氏)を開発した。
駐車中の衝撃や音、ドアが開けられたことを検知すると自動で車内外を撮影し、その画像と車両の位置情報を事前に登録したメールアドレスに送信する「ライブカーセキュリティ」という機能だ。車上荒らしやイタズラが発生した場合にユーザーは即座に把握することができる。
ライブカーセキュリティは車両のバッテリーを電源とし、クルマが始動しなくても14日間連続で動作できる。
さらに、誤作動を防ぐとともに、ユーザーがクルマの異変を判断しやすくする複数の工夫を施した。「信頼性が低い機能だと思われると使ってもらえない」(内田氏)という理由のためだ。
具体的には、“異変”の根拠となるセンサーを、衝撃/音/電圧の3種類とした。音は専用車載カメラに付属のマイクで、電圧によってドアが開けられたことを検出する。ユーザーに送信するメールでも車内外の画像を確認できるだけでなく、どのセンサーが何をどの程度検知したかを明記する。これにより、車上荒らしなどの異変か、強風などによる誤作動かを判断しやすくする。
また、ライブカーセキュリティを作動させない地点を登録したり、専用のスマートフォンアプリやカーナビゲーション本体から一時的に機能をオフにすることも可能だ。Bluetoothでペアリングしたスマートフォンが車両に近づいた場合に機能を作動させない設計にもなっている。
ライブカーセキュリティを使用するにはデータ通信モジュールを、車内の様子を撮影するには車内撮影向けの専用カメラを購入する必要がある。
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