加速電圧175kV、深溶接が可能な高電圧電子ビーム溶接機を発売:FAニュース
NECエンジニアリングは、加速電圧175kVの高電圧機「NEB-175」シリーズの販売を開始した。ビーム軌道補正機能を標準搭載しており、より強く高精度な溶接ができる。
NECエンジニアリングは2016年4月11日、加速電圧(陰陽両極の間にある荷電粒子を加速するために両極に加える電圧)175kVの高電圧機「NEB-175」シリーズを電子ビーム溶接機に追加し、販売を開始した。
NEB-175シリーズは、加速電圧が業界最高水準の175kVで、ビーム軌道補正機能を標準搭載したことにより、ビーム径が約25%縮小した。これによりエネルギー密度が約30%高まり、より狭い幅で深い溶接ができるようになった。溶接ひずみも約25%低減し高精度な溶接が可能に。高エネルギー密度化によって溶接時間が短縮されるため、省エネルギー化に貢献する。
さらに制御卓、高圧電源、ポンプなどの構成機器を小型化。真空チャンバ周辺のレイアウトを見直し、設置面積を同社従来機比で約60%縮小した。
操作パネルには、重要情報を大きく見やすい位置に配置し、文字などの色調やコントラストに配慮したGUI(Graphical User Interface)を採用。視認性や操作性が向上している。稼働状況やアラームがモニター上で直感的に分かるように設計されており、作業効率向上やヒューマンエラーの低減に寄与する。
参考価格は8000万円から(税別)で、真空チャンバサイズや仕様などにより価格が異なる。販売目標は今後3年間で30億円としている。
FAメルマガ 登録募集中!
FAニュースをはじめ、産業用ロボット、インダストリー4.0、PLCや産業用ネットワーク、制御システムセキュリティなど注目の話題をまとめてお届けしています。
ぜひ、メルマガ配信のご登録をお願い致します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NECは、どうやって「在庫が山積みなのに売り場は欠品」状態から脱却したのか
「なぜこんなに在庫が残っているのに欠品が起こるのか」。NECでは1990年代まで、需給ギャップに円滑に対応できず、サプライチェーンの各所で在庫の山が発生していた。その状況から脱却できたのは2000年から取り組みを本格化させた生産革新の成果だ。その革新の最前線でもあるNECインフロンティア東北を訪ねた。 - 半導体メーカーだからできるSIソリューションを
組み込み業界で“縁の下の力持ち”的な存在である半導体メーカー。NECエレクトロニクスは、その領域を超え、顧客へのトータルソリューションに力を入れる。「売り込むのはデバイスではない。それは後から付いてくる」。逆転の発想で取り組むソリューション事業とは? - 鶴岡工場の閉鎖を決定したルネサス作田会長、「まだ人・モノが多い」
ルネサス エレクトロニクスの会長兼CEOに就任した作田久男は、「まだ人・モノが多い。大げさに言うと、(ルネサス テクノロジとNECエレクトロニクスの)トータルの売上高が1兆8000億円だったころと比べて、今の売上高レベルで考えれば3分の1くらいまでに減らさなければならない」と述べた。 - NECが「5V級」リチウム電池を開発、容量30%増
リチウムイオン二次電池に求められているのは、大容量と軽量化だ。NECは電池の正極材料と電解液を工夫することで、大容量で軽い電池の開発に成功した。実現のカギはニッケルとフッ化物だ。 - 何を手掛かりにビジネスを考えるべきか?
「成熟期」を迎えた組み込み業界は、今後どのようにしてビジネスを検討すべきか? 身近な例からそのヒントを探る