「HyperLynx」に“複雑さを解消”する新バージョン
メンター・グラフィックスがPCB解析検証ツール「HyperLynx」の最新版を発表した。新バージョンではSI/PI解析や3D電磁界ソルバ、高速ルーチンチェックなどが単一環境に統合されており、PCB設計の効率化に大きく貢献する。
メンター・グラフィックスは2016年4月5日、PCB解析検証ツール「HyperLynx」の最新版を発表した。新バージョンではSI/PI解析や3D電磁界ソルバ、高速ルーチンチェックなどが単一環境に統合されており、PCB設計の効率化に大きく貢献する。
PCB設計についてはチャネル設計の複雑化やHMCも視野に入るメモリインタフェースプロトコルの推移、電源供給ネットワークの広がりなどもあり、システムとしてのモデリングが求められている。しかし、モデリングの複雑化に伴ってツールも複雑化し、異種混合化も進んでいる。また、専門技術者の不足も大きな問題として認識されている。
HyperLynxの新バージョンは「複雑さの解消」を掲げており、一元化されたGUIで2D/3DのSIおよびPI解析が実行でき、設計者はSerDesチャネルのシミュレーションを実行した後に、シンプルな動作で大規模な電源ネットワークのディカップリング解析に切り替えることが可能だ。
PIについては2つの2.5Dソルバ、DC/IRドロップシミュレーター、準静的3Dソルバを含む複数のエンジンが追加されており、これらはSI解析機能と同じアプリケーションのなかで同時利用できる。
モデリングについては100GbE信号伝送向けに「業界で初めて」(同社)、COM(Channel Operating Margin)解析に対応したソリューションとなっており、PAM-4シグナルリンクにも対応する。またその精度についても、同社では実機での実測値とシミュレーション結果値が高い相関関係にあることを強調する。検証については「分解」解析フローが実装されており、シミュレーション時間が「桁違い(同社)」に短縮されているとしている。
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