高年齢者雇用の目的は「経験や知識の活用」――7割以上が回答:キャリアニュース
人事担当者向け中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」が、「高齢者雇用」についての調査結果を発表した。7割以上の企業が、高年齢者雇用の目的は「経験や知識の活用」だと回答。一方で、経験があるからこその課題も浮き彫りになった。
エン・ジャパンが運営する人事担当者向け中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」は2016年3月7日、「高齢者雇用」についてのアンケート調査結果を発表した。
調査の対象者は、同サイトを利用している企業の人事担当者。そのうち438社から回答を得た。
まず、2013年4月の改正高年齢者雇用安定法の施行以降、どのように対応したかを尋ねたところ、全体の74%が「定年後の継続雇用制度の導入」と答えた。この回答は、規模の大きな企業で割合が高く、301〜500名規模の企業では96%、501〜1000名、1000名以上ではどちらも93%となっている。
続いて、前問で「定年後の継続雇用制度の導入」と回答した企業に「継続雇用後、変更した条件や勤務形態について教えてください」と尋ねた。結果、最も多かった回答は「給与を変更する」で84%だった。次いで「雇用形態」が75%。約8割の企業が給与と雇用形態を変更していることが明らかになった。
さらに「給与を変更する」と回答した企業に、継続雇用者の年間給与水準が定年時に比べ何%程度になったかを質問したところ、「80〜61%」(定年到達時の年間給与を100として比較した場合)が最多で44%だった。
高年齢者の経験は有効、一方でそれが生む課題も
次に、高年齢者を雇用する目的を尋ねた。その結果、最も多かった回答は「経験や知識の活用」で74%を占めた。続いて「スキルやノウハウの伝承」が56%。「ベテランの指導により教育の均一化がはかれた」「役員指導に役立っている」など、高年齢者の知識や経験が企業の成長につながっているという声が寄せられた。
一方で、高齢者雇用の課題について尋ねると「世代交代の停滞」(43%)、「高齢者の戦力化やモチベーションの持たせ方」(42%)が上位に挙がった。高齢者が若手に教えず自分自身で仕事をしてしまったり、これまでのやり方に捉われて仕事の改革ができないなど、経験があるからこその課題が浮き彫りになった。
最後に、今後の高年齢者雇用の方針を問うと、「状況を見て対応を検討」(42%)と「法定義務の範囲で対応」(40%)の2つに回答が集中した。理由としては「社内の雇用状況や年齢のバランスを見た上で検討・対応したい」といった声が多かった。「法定義務の範囲を超え自主的に対応する」という回答は12%と少なく、各社コンプライアンスを守る範囲の対応にとどまっているようだ。
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