中堅・中小規模製造業向け業務システムの分野で協業、新サービスを開始:製造ITニュース
日立システムズは、カシオ計算機と協業し、中堅・中小規模製造業向けに、ハンディターミナルとクラウドを活用して複数の工場に点在する在庫を「見える化」するサービスを開始した。
日立システムズは2016年2月16日、カシオ計算機と協業し、中堅・中小規模製造業向けに、ハンディターミナルとクラウドを活用して複数の工場に点在する製品の在庫・入出庫状況を「見える化」するサービスを開始した。
製造業では、製造プロセスの中で複数の協力会社に製造委託をすることが多いが、委託先が増えると、自社の製品在庫、生産状況、納期などを適切に管理する必要が生じる。しかし、委託先とのシステム/データの連携には、セキュアな回線の整備など多大な経費が掛かるため、一般的には電話やFAX、メールなどでのやりとりとなり、在庫状況をリアルタイムに把握することができていないという。
そこで、日立システムズとカシオ計算機は、協業で在庫管理の課題を解決するサービスを開発した。カシオ計算機のハンディターミナル「DT-X200/DT-X100/IT-G500」とサイボウズのクラウドサービス「kintone(キントーン)」を活用し、日立システムズの製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage(フューチャーステージ)」のオプションサービスとして発売する。
ハンディターミナルを使って製品のバーコードなどを読み取り、インターネットとクラウドサービスを通じてFutureStageの在庫データにリアルタイムで入出庫情報や製造実績を反映させる。同サービスを利用することで、自社工場だけでなく、ネットワークがつながっていない委託先工場や倉庫とも情報の連携が可能になる。
また、発注側がFutureStageを既に利用している場合、サービス導入に必要な費用は、FutureStageのオプションサービス費用と、クラウドサービスkintoneの月額利用料、ハンディターミナルの購入費用、インターネット環境の費用だけで済むため、大きな投資をせずに導入できるという。
日立システムズでは、今回の協業を通じてFutureStageの拡販を進め、2018年度に40億円の販売を目指すとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- カーナビに最適な空間検索を装備した「Entier」
組み込みデータベースカタログ第4回は、日立製作所の組み込みデータベースEntierを取り上げる。お話を伺ったのは、 ソフトウェア事業部 DB設計部主任技師の関芳治氏である。 - ニッポンに圧勝したサムスンのグローバル戦略
日立、ソニー、松下を利益率で大きく引き離すサムスン電子。その躍進を支えた日本人エンジニアが明かす成功の秘訣とは? - メイドインジャパンの必勝パターンを読み解く
2012年4月からスタートした「小寺信良が見たモノづくりの現場」では、10カ所の工場を紹介した。今回から2回にわたり、この連載で得た「気付き」から、「ニッポンのモノづくりの強み」についてまとめる。 - 群雄割拠の車載Liイオン電池
ハイブリッド車や電気自動車など、電動システムを搭載する自動車の市場拡大に合わせて、新たな車載リチウムイオン電池の開発が加速している。本稿ではまず、車載リチウムイオン電池の開発/供給に関する業界動向をまとめる。その上で、国内電機メーカーが車載リチウムイオン電池の性能向上のために行っている取り組みを紹介する。 - 不況脱出のカギは“ユニーク&オリジナル企業”
ほぼ1年にわたってTOC記事を執筆してきた村上悟氏が、2008年秋から始まった米国発世界同時不況の原因を分析し、日本製造業はどうやってこの苦境を乗り越えたらよいか提言する。