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「ないと困るなら、復活させればいい」――本当に役に立つCAEの導入方法とはCAE事例(2/4 ページ)

CAEの導入効果は意識して示さなければ外部から見えにくい面もある。またともすればツールの導入ばかりに力が入ってしまい、効果の検証が後回しになってしまうこともある。その問題を解決しようと、いったんCAEの専門組織を凍結してしまうという荒療治を行ったのがオムロンだ。

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横串と縦串は適度にローテーション

 CAEの専門家が現場でのCAE活用に取り組むために必要なのは、「何よりもCAEの専門用語ではなく、現場の言葉でCAEについて話せること」だと岡田氏はいう。最低限の知識として、計算力学やPC環境、CAEツールの挙動の把握などは必要だ。だがそれだけではなく現場経験も欠かせない。「解析では『どこがどう拘束されているか』が一番の肝かもしれません。製品がどんな目的でどんな条件で動作するかは現場に行かなければ分からない」と岡田氏は言う。


設計・生産現場からのCAEに対する期待(出典:オムロン)

 そのためCAEの専門家が各事業部に出向して、現場で設計や生産に携わる場合もある。FA機器や家電、改札機などオムロンが扱う製品づくりに直接かかわることで、現場感覚を養うことができる。「ただし各製品の専門家にはなれるが、全社を通したCAE活用について考えることは難しい」(岡田氏)。

 全社組織にはあらゆる事業部からの問題が持ち込まれるため、それぞれに特有の課題を把握することが可能だ。また共通の課題があれば同じ解決法を適用できる。また各部署の工夫を全社に展開することも可能だ。一方、全社組織には現場感覚が薄れてしまうというデメリットもある。そこで横串機能と縦串機能との人材交流が問題を解決する有効な手段になる。


横串と縦串それぞれでの展開を図る(出典:オムロン)

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