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中国市場失速のあおりを受けるパナソニック、成長シフトに暗雲も製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

パナソニックの2016年3月期(2015年度)第3四半期決算は、国内の白物家電や海外のBtoBソリューションなどが健闘したものの、中国市場低迷や為替の悪化などの影響を受け、通期連結業績予想を下方修正した。

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 パナソニックの2016年3月期第3四半期累計(2015年4月〜12月)連結決算は売上高が5兆6713億円(前年同期比1%減)、営業利益は3203億円(同10%増)、税引前利益は2545億円(同22%増)、同社株主に帰属する当期純利益は1602億円(同14%増)と減収増益となった。また、連結通期業績予想を経営環境の悪化により大幅に下方修正した。

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パナソニックの2015年度第3四半期業績(クリックで拡大)出典:パナソニック

 国内売り上げは白物家電が伸び、家電全般では国内で過去最高のシェアを獲得するなど好調に推移したものの、太陽光発電システムや住宅設備機器が落ち込んでいる。海外売上はBtoBソリューション事業が伸長した一方で、テレビ事業やデバイス関連が減収となった。営業利益は事業の撤退・縮小による収益の改善、構造改革による事業構成の良化、高付加価値化商品へのシフトなどが増益に貢献している。

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パナソニックの2015年度第3四半期累計(2015年4〜12月)の業績(クリックで拡大)出典:パナソニック

白物家電は日本とアジアで好調

 セグメント別の状況をみるとアプライアンス(製販連結)では、白物家電が日本、アジアを中心に順調に推移。特に日本では大容量の冷蔵庫、ドラム式洗濯機の新製品が売れた。エアコンもルームエアコン、大型空調ともにアジア地域が好調で、中国での落ち込みを補った。また、ショーケース事業が好調に推移している。テレビ事業は販売絞り込みで減収となったが、利益面では黒字を確保している。アプライアンス全体の売上高は1兆7772億円(前年同期比3%減)と減収となった。営業利益は為替悪化の影響を白物家電の増販効果やテレビ事業の収益改善などでカバーし同21%増の703億円を記録した。

 エコソリューションズは売上高が1兆1822億円(同3%減)となった。配線器具やブレーカなどの事業はアジアを中心に堅調に推移したが、住宅関連事業や国内市況の悪化影響を受ける太陽光発電システムの減販影響が大きく556億円(27%減)と大幅減益となった。

 AVCネットワークスの売上高は8541億円(同3%増)と増収。パーティカルソリューション事業が好調を維持しており、全体をけん引した。セキュリティシステムなどの映像・イメージング事業も堅調に推移ししている。営業利益はバーティカルソリューション事業の増販効果と前年までの構造改革効果により506億円(同2.3倍)と大幅増益を記録した。

 オートモーティブ&インダストリアルシステムズは売上高が 2兆632億円(同1%減)となった。車載エレクトロニクスや北米向けインフォテインメントシステムは増収となったが、インダストリアル事業での一部事業の終息影響やエナジー事業でのICT向け二次電池の減収が響いた。営業利益は減販の影響に加え、オートモーティブ事業の成長分野に対する研究開発費の増加等により845億円(同5%減)と減益となった。

 その他ではパナホームは増収となったが、全体としては事業譲渡の影響もあり、全体では4151億円(同7%減)と減収。営業利益はパナホームの増益が寄与し41億円(同2.7倍)の増益を記録した。

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パナソニックの2015年度第3四半期のセグメント別実績(クリックで拡大)出典:パナソニック

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