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3つのカメラ映像で格段に広い後方視界、ただし“ミラーレス”の違和感も大きいBMW i8ミラーレス 試乗インプレッション(3/4 ページ)

物理的なミラーの代わりにカメラとディスプレイを使って後方視界を確保する、BMWの「i8ミラーレス」の試乗レポートをお送りする。併せて、BMWが「CES 2016」で発表した「iビジョン・フューチャー・インタラクション」など、同社の次世代技術についても紹介しよう。

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「i8カブリオレ」ベースのコンセプトカーで次世代UIを提案

 BMWは、CESのプレスカンファレンスで、i8のオープンカーである「i8カブリオレ」をベースにした「iビジョン・フューチャー・インタラクション」を発表した。ドライバーなどの乗員にとって、ジェスチャーや音声コマンド、タッチパネルなどで直感的に操作できる次世代のユーザーインタフェースを提案するためのコンセプトカーだ。

CESのプレスカンファレンスでは、BMWの研究開発部門を率いる取締役のクラウス・フレーリッヒ氏が「iビジョン・フューチャー・インタラクション」を発表。「自動運転の分野にも積極的に取り組んでおり、この分野におけるコンペティションを歓迎している」(フレーリッヒ氏)とコメント(クリックで拡大)

 iビジョン・フューチャー・インタラクションでは、ステアリングホイール左側のスイッチで3つの走行モードを切り替えることができる。「ピュアドライブモード」では従来のBMWらしい走りを満喫でき、「アシストモード」を選ぶと、カーナビゲーションシステムによる最適ルートの提案や、高度なドライバー支援機能が働く。そして「オートモード」では、加速や減速、操舵を自動で行う、いわゆる自動運転モードになる。

「iビジョン・フューチャー・インタラクション」のステアリングホイール
「iビジョン・フューチャー・インタラクション」のステアリングホイール。左側のスイッチで3つの走行モードを切り替えられる(クリックで拡大) 出典:BMW

 このオートモードの自動運転は、ドライバーがいつでも手動運転に切り替えられる「半自動運転」の段階にあり、近い将来、ドイツ国内の特定の高速道路区間または米国のカープールレーン(相乗り優先車線)で実用化される見通しだ。

 ピュアドライブモードやアシストモードのように、ドライバーが手動で運転している時は、ステアリングホイールの背後にあるメーターパネルには、運転に必要な情報が3Dで表示される。一方で、自動運転を行うオートモードに切り替えると、ステアリングホイールがメーターパネル側にスライドして、ドライバーがリラックスできる空間を広げる。この状態では、助手席側にある21インチパノラマディスプレイを操作することになる。ダッシュボードに埋め込まれたIRセンサーに手をかざして希望の機能を選び、ステアリングホイールに内蔵されたボタンを押せば選択を決定できる。

「iビジョン・フューチャー・インタラクション」の助手席側には21インチパノラマディスプレイがある
「iビジョン・フューチャー・インタラクション」の助手席側には21インチパノラマディスプレイがある(クリックで拡大)

 ジェスチャーコントロールは見た目も非常に未来的だが、一方で、人間工学上のメリットも大きい。タッチパネルのように直接画面に触れる必要がないので、運転席とディスプレイの間の空間を広く確保でき、自動運転を行うオートモードに切り替えたときにリラックスした姿勢をとりやすくなる。

「iビジョン・フューチャー・インタラクション」のダッシュボードに組み込まれたIRセンサー
「iビジョン・フューチャー・インタラクション」のダッシュボードに埋め込まれたIRセンサー。運転席側に1カ所、助手席側2カ所に埋め込まれており、自動運転に切り替えた時にはジェスチャーを検知して、助手席側の21インチパノラマディスプレイの表示を選択できる。助手席側からのジェスチャーコントロールも可能だ(クリックで拡大)

 オートモードから他の手動運転を行うモードに戻せば、ステアリングホイールが手前に戻って運転に集中する姿勢に戻れる。同時に、助手席側のパノラマディスプレイから、運転席の前にあるヘッドアップディスプレイとメーターパネルにドライバーの視点が移動するように意識を喚起する。

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