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「開発スピード」は何をもたらすか? 「ニッチ、100カ国に100台」というCerevoの選択メカ設計イベントリポート(2/4 ページ)

2015年12月に開催されたMONOistセミナー「大手とベンチャーが語る『開発スピードが生み出すモノづくり力』」で、Cerevoが基調講演に登壇し、同社の開発スピードに対する考えやスピードアップのための手法について語った。

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 「cloudiss」はBluetooth Low Energyによる通信機能を備えた、小型のスマートフォン連携型アラーム装置だ。時計の要素は一切持っておらず、電源ボタン以外のボタン類・表示部もない。アラームの設定や操作は、Bluetoothでペアリングすることで、スマートフォン側のアプリで行う。「アラームだけ」という非常にシンプルな装置だが、アラームを止める操作には、目を覚まさせるための一工夫がある。cloudissは同社CEO 岩佐琢磨氏の「朝、起きられない」という需要から生まれたものだった。

 2015年12月から発売となった「SNOW-1」は、スマート・スノーボードバインディングだ。


「SNOW-1」

 各種センサーを搭載したバインディングで、スノーボーダーの足裏荷重やスノーボードの反り具合などをリアルタイムに計測する。そのデータをスマートフォンに転送し、グラフィカルな画面で滑りを分析できるというものだ。これも、かなりヘビーなスノーボーダーでなければ必要ない製品だ。

 まずは同社の開発する製品が、どのくらいニッチなのか、少し分かっていただけただろうか。

1人で企画を決め、4人のチームで開発する

 現在14製品を販売している同社だが、どのようなプロセスで、多品種を少量生産しているのだろうか。

 まず企画は、同社代表の担当範囲だ。基本的に合議制はとらず、承認フローもない。企画の源泉となるのは、各人が思い付いたことを自由に書きこむ「新ネタ」のチャット。開発費の見込みや生産台数などの検討は行うが、最終的に代表が「やる」と言えば決まりだ。

 合議制を取らない理由は「ニッチな製品はそもそも分からないので意見が分かれる。それが必要か必要でないか、説明できる人がいない中で作るかどうかを決めるので、みんなが納得する論理や根拠をなど出てくるはずがない」(松本氏)からだ。「欲しい人にはここが刺さる」と決まれば、「実際どう作るか」は、開発チームに任せるという。

 開発は、デザイン・メカ設計、電気、アプリとサービス、組み込みソフトの4分野に分け、それぞれ1人、計4人のチームで量産までの全て行う。

 この体制の大きなメリットは「顔が見える」ことだ。「顔が見えないと『この問題はソフトで解決するのか、回路で解決するのか』というような事態がよく起こる。それはスピードを阻害する要因となるので、何か問題があれば4人で考える」と松本氏。同社ではソフトとハードの垣根をあまり作らず、ソフトウェアエンジニアでも回路が読めるのは当たり前なのだそうだ。

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