2017年のCES、主役は自動運転に替わって人工知能になる?:CES 2016レポート(1/4 ページ)
自動運転車が話題になった2016年の「CES」。2017年は、自動運転車を実現するための中核技術となっている人工知能が主役になっているかもしれない。
2016年1月6〜9日、米国ネバダ州ラスベガスにおいて消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2016」が開催された。筆者はここ数年、連続してCESに参加しているが、展示物を見ると、かつての主役であった「家電」と呼べるもののほうが少なくなってしまった。CESの主催団体である「全米家電協会(CEA)」も2015年11月、名称を「全米民生技術協会(CTA)」に変更し、「テクノロジー」を前面に出す方向性を示したこともその変化を示している。
2016年のCESの展示内容では、ウェアラブル製品やドローン、ロボットなど前回に引き続き多岐にわたるものであった。また、大企業の新製品発表の場というだけではなく、CTAはベンチャー企業の招致にも積極的だ。ベンチャー企業の出展社数は、前回の375社に対し今回は500社にも上った。
今回もさまざまな技術が紹介されたCESだが、その中でも特に際立っていたものの1つが「ロボット」であった。経済産業省のロボット研究会は、「ロボット」の定義を『「センサー」「知能・制御系」「駆動系」の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム』としている。つまり、CESで注目された「ロボット」「自動運転車(Robot Car、Autonomous Car)」「ドローン」はまさに経済産業省の定義する「ロボット」に該当するのである。
それを象徴するかのように、今回のCESの基調講演では、IBMが同社の人工知能「Watson」を搭載したPepperを登壇させ、Intel(インテル)はドイツのドローン開発メーカーであるAscending Technologiesの買収を発表した。またCESの基調講演7件のうち2件をGeneral Motors(GM)およびVolkswagen(フォルクスワーゲン)といった自動車メーカーが担当した。
本稿ではCESで注目された「ロボット」の中でも、特に2020年前後の実用化に向けて急速に進化している「自動運転車」に関する展示について紹介したい。
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