2016年のCESで自動車メーカーが示唆した「自動車産業の構造転換」:2016 CES&デトロイトモーターショー2016レポート(前編)(1/4 ページ)
2016年1月、米国ラスベガスの「2016 International CES」に続いて、デトロイトで「デトロイトモータショー2016」が開催された。自動車業界の今後の方向性が示される両イベントを取材した桃田健史氏によるレポートを前後編でお送りする。前編は、自動車業界からの参加が増えているCESのレポートだ。
日本では「世界最大級のIT・家電のトレードショー」と訳されることが多い「CES」。
今回(2016年)も、日本の正月早々、米国ネバダ州ラスベガスを舞台に華々しく開催された。一般公開は1月6〜9日だが、われわれ報道陣に対しては、1月4日午後から、マンダレイベイホテルのコンベンションルームで「トレンドウオッチ」と注目製品の「プレビュー」が行われた。
それによると、今回の出展スペース規模は、49年間のCES史上で過去最大となる「アメリカンフットボール競技場50個分」の広さ。入場者は前回(2015年)実績が15万人で、そのうち4万5000人が世界150カ国から来た海外の来場者だったという。
今回は、スタートアップ企業が増えるなど29カ国から合計500社が出展。そしてトレンドについては、何といってもVR(バーチャルリアリティ)関連の存在感の大きさを強調した。また前回に引き続き、ドローン、ウェアラブル、4Kテレビ、スマートホーム、3Dプリンタ、そして自動車(オートモーティブ)を挙げた。
製品別の市場予測としては、世界規模のスマートフォン市場を台数ベースで2015年比8%増の14億1400万台と予測。これは2014年から2015年にかけての伸び率である7%増とほぼ同じ緩やかな成長だ。だが、販売総額としては全体に下落の傾向が強まっている。これは中国市場でシェアを拡大している、小米(シャオミ)の低価格モデルが台数を伸ばしていることが原因だと説明した。また、タブレット端末については、2016年は2015年と同じく台数ベースで下落が続き、前年比8%減の1億7600万台まで落ち込むと予想した。
トレンドウオッチの後、16時から開催されたプレビューでは、確かにVR関連の展示が目立った。ただし、予約発売が始まったOculusの「Rift」の現物はなく、既に販売が開始されているSamsung Electronics(サムスン)の「Gear VR」を使ったサードパーティー製品や、中国製の「製品の外観だけVRっぽい」ような、ゴーグル型のプロジェクターとヘッドセットが融合した製品などが幾つも登場する程度にとどまった。
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