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「設計から製図までチャレンジしてみよう」の巻ママさん設計者がやさしく教える「図面の読み描き超入門」(6)(4/6 ページ)

図面にも触れたことのないような初心者を対象とした、図面の読み方・描き方講座。お題をクリアしながら、解説を読み進めていくことで、いつしか図面の読み描きができるようになる! 今回は、集大成として設計から製図までの一連の作業に挑戦する。

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3.ポンチ絵をベースに図面を描く

 ポンチ絵が出来上がったら、最後のステージである図面を描く作業に移ります。今回は、部品が2つになるので、それぞれの部品図を作成します。参考までに、各部品の3Dモデルを示します(図10)(図11)。

リモコンスタンド パーツ1
図10 リモコンスタンド パーツ1 ※画像クリックで拡大表示
リモコンスタンド パーツ2
図11 リモコンスタンド パーツ2 ※画像クリックで拡大表示

 そして、以下のように図11の箱の中に、図10の部品を入れて組み立てるわけです(図12)。

2つのパーツを組み合わせる
図12 2つのパーツを組み合わせる ※画像クリックで拡大表示

 完成図がこちらです(図13)。

完成図
図13 完成図 ※画像クリックで拡大表示

 早速、図10に示した「コの字型」の部品から作図していきましょう。作図のポイントは前回お話した通り、「形状を最もよく表している面を正面図にする」です。正面図が決まったら、そこから垂直方向へ平面図を描き、水平方向へ側面図を描いていきます(図14)。

正面図が決まったら平面図、側面図を描いていく
図14 正面図が決まったら平面図、側面図を描いていく ※画像クリックで拡大表示

 そして、図9のポンチ絵に従って寸法を記入して仕上げます(図15)。

寸法を入れて仕上げる
図15 寸法を入れて仕上げる ※画像クリックで拡大表示

 続いて、図11の作図に取り掛かりながら、先ほど出題したクイズを解いていきましょう。

 まず、ポンチ絵の中の「内寸」や「外寸」の意味は、折り曲げたときの「内側寸法」「外側寸法」という意味です。今回のリモコンケースは、上下の部品を組み合わせて1つの箱を作るので、下の箱に入る上の部品の寸法とのバランスを考えて箱の内側寸法を決めることになります。

 ポンチ絵によると、上の部品のタテヨコ寸法は幅100×長さ200mm(外寸)です。これをスムーズに出し入れできる箱の内側のタテヨコ寸法にはゆとりが必要ですので、幅100mm以上×長さ200mm以上と考えます。ところが、ポンチ絵に描いてある箱の寸法「102mm」「202mm」を、もし加工者が「外側寸法なのだ」と解釈してしまったらどうなるでしょうか? 材料の厚みは1mmですから、出来上がりの外側タテヨコ寸法は102×202mm、内側タテヨコ寸法は幅100×長さ200mmとなり、これでは上の部品のタテヨコ寸法と同一になってしまうので、スムーズに出し入れするのはほぼ不可能になります。また、上の部品の長さ200mmを「内寸」と解釈してしまった場合でも同様のことが起きます。

 しかし、寸法数値に「内寸」、あるいは「外寸」と添えることで、そういった間違いを防ぐことができます。特に精密板金部品の場合、材料が薄くなるにつれて図面の引出線が邪魔をし、表記の寸法数値が内側寸法なのか外側寸法なのか判断が付かないことがあります。そのため、加工手配の際は万全を期して、図面と併せてCADデータを渡すのが通常です。ただし、設計者と製図者の間ではこういった寸法への誤解が生じやすいと思うので、少しでも疑問に感じたら確認を怠らないことが大切です。

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