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「SCORモデル」を使ってサプライチェーンを考える:生産管理の世界共通言語「APICS」とは(3)(3/5 ページ)
グローバルサプライチェーンを運営していく上で“世界共通言語”とも見られている「APICS」を専門家が解説していく本連載。3回目は、SCMに関するグローバルスタンダードのプロセス参照モデル「SCORモデル」について紹介する。
SCORでサプライチェーンネットワークを描く
SCORでは、サプライチェーンのプロセスを「“計画”プロセス」「“実行”プロセス」「“イネイブル”プロセス」の3つに区分している。
その上で、レベル1プロセスを、計画プロセス:「Plan」、実行プロセス:「Source」「Make」「Deliver」「Return」、イネイブルプロセス:「Enable」と定義している(図2)。
各レベル1プロセスは、それぞれレベル2に分解される。レベル2への分解は、プロセス内の業務ステップで分解するのではなく、プロセスの内容で分解されている。例えば、レベル1ソース(Source)プロセスのレベル2は、「sS1:市販品の調達」「sS2:特注品の調達」「sS3:受注設計生産品の調達」の3種類に定義付けられている。
このレベル2を使ってサプライチェーンを描くと、その構造と各所の業務概要が見えてくる。クロスファンクショナルなSCMプロジェクトにおいて、最初の段階でメンバーが一緒にこのレベル2を描く作業を行うと、早い段階で共通認識が醸成されてプロジェクトが円滑に立ち上がるのである(図3)。
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