マツダ「RX-VISION」の長〜いボンネットには何が入る?:今井優杏のエコカー☆進化論(21)(1/4 ページ)
2015年11月8日に閉幕した「東京モーターショー2015」。筆者が注目したのは、マツダの「RX-VISION」と日産自動車の「IDSコンセプト」だ。RX-VISIONの長〜いボンネットには一体何が入るのか。完全自動運転にも対応するIDSコンセプトが事故を起こしたら誰が責任を取るのか。
「未来はもう手の中にある」
来場者満足度91%、入場者数は81万2500人という結果を残して「東京モーターショー2015」が閉幕しました。今後は2015年末〜2016年初にかけて、各地方都市へモーターショーが移動して行きますから、楽しみにしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
毎回開催のたびに足しげく会場に通う私ですが、今回も取材に撮影に、そして所属しているAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員として東京モーターショーの公認コンテンツである「自動車ジャーナリストと巡る東京モーターショー」のガイド役を務めるなど、何度も会場をぐるぐるぐるぐる歩き回ってきましたよ。
そして今回思ったこと。それは「未来はもう手の中にある」ということでした。
ちょっと振り返ってみましょうね。
あまりにドラマチックだから逆にリアルに見えない「RX-VISION」
プレスデーに行われたプレスブリーフィングの1発目だったということもあって、大きな話題を呼んだのは、やはりマツダのデザインコンセプトモデル「Mazda RX-VISION(以下、RX-VISION)」だったのではないかと思います。
黒一色に塗られたブースで浮かび上がるようにライティングされたRX-VISIONは、まるで絵画を見ているようなラインの構成でした。あまりにドラマチックだから逆にリアルに見えないという逆説を引き起こすくらいに美しかった。特にリヤあたりの完成度というか完結度というか、きゅっと締まったヒップラインにはメロメロに!
往年のJaguar(ジャガー)のような、ロングノーズにショートデッキのクラシカルなスタイルなのに、「マツダ ロードスター」をインスパイアさせるようなキレ長な瞳(ヘッドランプ)と曲線を多用した有機的なウィンドウ類の構成でとても未来的。この絶妙なバランス感覚は見る者を圧倒する存在感でした。
さらにファンを驚かせたのはこのRX-VISIONに納まる心臓として、「SKYACTIV-R(スカイアクティブ・アール)」と名付けられたロータリーエンジンが発表されたこと!
三角形のロータリーが回転することで動力を生む独特の構造を持つロータリーエンジンは、1967年にマツダが実用化することに成功した歴史あるもの。しかし、コンパクトに成型できるというメリットを持ちつつも、燃費面でのデメリットが大きく、現在はマツダも生産していません。
しかし、そこはロータリー大好きマツダさんのこと。研究開発がストップしたわけではないのだそうです。そういやちょっと前には「ハイドロジェンRE」という、水素とガソリンの両方を燃料とするハイブリッドロータリーエンジンを搭載したクルマがありました。リース販売も行われ、当時は市販化にかなりの力を入れていたのを思い出しました。
しかしやはり時期尚早だったのでしょうか、燃料電池車が量産化された現在すらまだ水素インフラの整備に関しては不安のほうが多いのですから、このプロジェクトは急速にトーンダウンしてしまいました。
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