新型「プリウス」から始まる、TNGAの「もっといいクルマづくり」に向けた挑戦:車両デザイン(1/2 ページ)
トヨタ自動車がTNGA第1弾となる新型「プリウス」を発表した。TNGAは単なる共通化構想ではなく同社の構造改革と人づくりであり、新型プリウスは「もっといいクルマづくり」に向けた長い挑戦の始まりと位置付ける。「乗れば良さが分かる」(同社)という自信作だ。
トヨタ自動車は2015年12月9日、東京都内で新型「プリウス」の記者発表会を開催した。同会では、新型プリウスの開発から始まった、「もっといいクルマづくり」を目指す取り組みであるTNGA(Toyota New Global Architecture)について同社副社長の加藤光久氏が思いを語った。また、新型プリウスの開発を担当した同社製品企画本部 チーフエンジニアの豊島浩二氏が、新型プリウスで追求した4つのポイントを解説した。
新型「プリウス」は「いいクルマづくり」への長い挑戦の始まり
加藤氏は「世界各地のニーズに応えて、笑顔になってもらえるクルマを届けることがトヨタの使命だ」と切り出した。これまでの個別車種でのモノづくりでは、車種が増加し、世界各地での現地生産や各国の法規制への対応を続けるのが困難になっていたという。「つくった車種の維持で精いっぱいだった。いいクルマを作ろうという熱意や創造力が生かし切れていなかった」(同氏)。
もっといいクルマを作り続けるために全社的な構造改革が必要になった。その改革がTNGAだ。TNGAは「単に部品を共用化したり原価低減を目指したりする取り組みではない」(同氏)。もっといいクルマを全体最適で作るという大きな目的を意味している。その目的に向けて、部品を共用化し、原価を低減してもっといいクルマづくりに再投資するサイクルを構築することだ。同時に、組織や人材育成のあり方も変わったという。
一目見てほしくなるデザインやずっと乗っていたくなる走りを実現する手段として、低重心のプラットフォームやパワートレインを活用する。「Fun to Drive」を伝えるためにあらゆる技術を投入し、乗る人の感性を重視したクルマを開発していく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.