新型「プリウス」がTNGAの第1号車になった理由:車両デザイン(2/6 ページ)
トヨタ自動車が2015年12月に発売する新型「プリウス」。JC08モード燃費で40km/l(リットル)という環境性能だけでなく、従来モデルのプリウスの弱みだった走りの楽しさや乗り心地を大幅に向上している。これは、新型プリウスが第1号車となる「TNGA」プラットフォームが目指す目標でもある。
「Confident&Natural」をテーマにした走行性能開発
新型プリウスの走行性能開発では「Confident&Natural」がテーマになった。これは、人を中心にとらえた開発を通じて、安心で自然、上質な走りを実現するというものだ。
そこで、Confident&Naturalをテーマとする、新型プリウスの走りの楽しさと乗り心地の向上に向けた取り組みについて、先述した「新型プリウスが目指したもの」における2)〜6)の5項目に分けて説明しよう。これらの取り組みは、トヨタ自動車における今後の車両開発の基礎となる「TNGA(Toyota New Global Architecture)」による新プラットフォームとの関わりが極めて深いことにも注目してほしい。
「低重心パッケージのスタイリング」と「自然で快適なドライビングポジション」
まずは、2)「低重心パッケージのスタイリング」と3)「自然で快適なドライビングポジション」からだ。
低重心パッケージという新型プリウスのTNGAプラットフォームでは、3代目プリウス比で全高が20mm、カウル高さが62mm、リヤスポイラー高さが55mm、パワートレインユニットの位置が約10mm、運転席のヒップポイントが59mm、後席のヒップポイントが26mm、荷室床面が110mm低くなっている。これらにいって車両の重心高も20mm低くなっている。
この低重心化に加えてドライビングポジションも改良した。人間工学に基づき、ステアリングやペダル、シフトノブ、スイッチ類などの配置を最適化したという。カウル高さが62mm低くなったことによって運転席からの前方視界も広がった。室内からワイパーが見えにくいように工夫することで、前方視界によりすっきりした印象を与えている。
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