経営効率化に向け、自社基幹システムのプラットフォームを全面刷新:製造IT導入事例
NECは、自社グループの販売・経理・購買業務を支える基幹システムのプラットフォームを全面的に刷新する。経営ビッグデータのリアルタイム処理基盤として、新たにSAPのインメモリプラットフォーム「SAP HANA」を採用する。
NECは2015年11月5日、自社グループの販売・経理・購買業務を支える基幹システムのプラットフォームを全面的に刷新すると発表した。基幹システムに蓄積される経営ビッグデータのリアルタイム処理基盤として、新たにSAPのインメモリプラットフォーム「SAP HANA」を採用する。
同社は、SAPのERPソフト「SAP ERP」を用いて販売・経理・購買などの基幹業務を支えるITシステムを構築し、2010年から国内外のグループ各社にクラウドサービスとして提供している。今回、新たにSAP HANAを採用することで、受注・売上計上や入金引当など、日々のオンライン業務処理を高速化し、生産性を向上させる。同時に、経営データをリアルタイムに処理・分析し、経営判断・業務判断の早期化を図るという。
また、同社のエンタープライズサーバ「NX7700x」シリーズやストレージ「iStorage M5000」、高可用性クラスタリングソフトウェア「CLUSTERPRO X」、SDN対応製品「UNIVERGE PF」シリーズなどの自社製品を採用し、仮想環境を構築。さらに、同社のクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」が保有する、統合デリバリ管理基盤や運用ノウハウなども活用する。
プラットフォームの刷新は、2016年度中に完了の予定。今回の刷新により、基幹業務の安定運用を維持しつつ、システム運用コストの25%削減を目指すとしている。
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